“印刷機を捨てた”印刷会社 社業変革の原点は阪神・淡路大震災 今は女性の活躍も顕著に | ラジトピ ラジオ関西トピックス

“印刷機を捨てた”印刷会社 社業変革の原点は阪神・淡路大震災 今は女性の活躍も顕著に

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 印刷物のデザイン制作からウェブや動画制作まで様々なメディアの企画提案を行っている神戸の企業が、クライアントの悩みの解決策を探る提案型の「情報加工コンサルティング会社」として存在感を高めている。

 もともと印刷会社としてガリ版印刷からスタートした、株式会社トライス(神戸市中央区)。しかし、今では印刷機と“決別”し、「印刷機を持たない印刷会社」、「クライアントの課題解決に向けてサービスをつなぐ(人とモノ、人とコト、人と人)会社」へと社業を転換させたという。

 そのきっかけは、27年前の阪神・淡路大震災だと語るのは、同社代表取締役の岸徹さん。

株式会社トライス代表取締役・岸徹さん

 神戸地方裁判所や神戸地方検察庁と司法機関が並ぶ神戸市中央区橘通1丁目に本社ビルを構える、トライス。創業は1934(昭和9)年。88年前の創業時からこの地に事業所を構えてきた。「もともとここに神戸市役所(2代目、1909年から1945年まで)もあったらしいです。官公庁の印刷の仕事を請けるにはこれ以上の場所はなかったでしょうね」(岸さん)。

 1995年の阪神・淡路大震災の時は、ちょうど本社ビルを建て替えた直後。幸いビルは倒壊を免れ、印刷機も破損こそしたがメーカーからの支援もあり早期に修復。復旧に向けた急ぎの仕事が次々と舞い込んだが、肝心の社員がほとんど出勤できなかった。

「電車や交通機関が止まって出てこられないわけです。被害の少なかった姫路の同業他社に協力してもらい、来た仕事はすべて請けようとしました」

 神戸で請けたものを姫路で印刷し、交通網が混乱するなか被災地に届ける。この時の経験が現在の原点になる。

「それまでは印刷にかかるすべてを自前でやるのが当たり前だと思っていました。でも、社外に出してもお客さんのニーズに十分応えられるとわかったんです」

 1995年はWindows95の販売年でもある。「インターネット元年」。携帯電話の時代もすぐにやってきた。アナログからデジタルへ。


※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2021年12月14日放送回より



2021年12月14日放送回…放送音声

 

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