あんこ(餡子)への熱い思いが高じて、あんこの可能性を限りなく追及した「あんこの大学」をウェブ上に作った、あんこの専門メーカーが、神戸にある。
「松原あんこ大学」として、ウェブやSNSなどを通じてお手軽あんこレシピなどを発信しているのは、神戸市中央区に本社を置く株式会社松原製餡所(※)。粒あん、こしあんなど、あんこを専門に開発・製造・販売を行う、1947(昭和22)年に創業した老舗だ。ウェブ上に展開する“大学”では、「あんこにできないものはない」を校訓(モットー)に、「“あんリミテッドな発想”で“あんビリーバブル”なあんこを創造するための研究開発を行っている」。
「あんこの可能性を広げていくというのが目的。まだまだ可能性が多いなと思って、たくさんのあんこを開発しています」というのは、同大学の“教授”としても活躍する、松原製餡所の松原宏代表取締役。「『えぇ!? こんなあんこがあんの!?』というような驚きがあるあんこを作っていきたいなと、この“大学”を立ち上げた」(松原さん)。昨年9月には“学園祭”も開催し、非常に好評だったとのこと。
そんなクリエイティブな企画を行う同社は、もともとは、粒あん、こしあん一筋で経営。しかし、阪神・淡路大震災が起こる3年ほど前、各地のあんぱん屋からの「特産品を使ったあんこを作って欲しい」という話から、あんこの種類を増やし始めたという。「毎日のように(あんぱん屋から)要望が来ていたので、そこから『あんぱんのあんこの種類を作らないとあかん』と、少しずつ研究開発をさせていただいて成果が出てきたのかなと思っています」(松原さん)。
イモやカボチャ、ニンジンといった野菜や、果物だけでなく、クリームチーズやチョコレートなど様々なあんこを開発。「要望を叶えるのが我々の仕事」と語る松原さん。「あんこにかけてはいろんな研究をしていく。お客さんの要望はもとより、社員の中でも『こんなあんこ、あんなあんこを作りたい』とあり、そんないろいろなアイデアを導かさせていただいて(製作にいかして)いる」。その思いが、500種類のあんこの製造につながる。「おそらく種類の豊富さでいえば全国トップなんじゃないかなと自負させていただいている」。
今では「BtoC」にも力を入れている同社は、直接販売やネットを通じて販路も拡大。「粒あん、こしあんの瓶詰はもとより、新しいあんことして、最近ではラムネや、キャラメルマキアートなどの洋風のあんこが人気」と、和菓子の領域を越えたものも積極的に取り入れ、顧客のニーズに対応している。
※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』内、「こうべしんきん三上公也の企業訪問」2021年12月28日放送回より
【松原あんこ大学 HP】
【松原製餡所 公式HP】
【2021年12月28日放送回…放送音声】