「魚崎」は、六甲アイランドとJR住吉駅を結ぶ六甲ライナーとの接続駅。ここでは、文豪・谷崎潤一郎の旧邸「倚松庵」や、灘の酒蔵めぐりもおすすめです。
カーブの途中にホームのある「御影」。ここは、直通特急は停車するのに、近鉄車両も走る快速急行は通過します。これは阪神より近鉄の車両のほうが長いため、同じ6両編成でもホームからはみだしてしまうからなんです。駅前には100年の歴史を誇るレトロな御影市場「旨水館(しすいかん)」と、おしゃれなショッピングセンター「御影クラッセ」が見事な新旧のコントラストを見せています。また高架下には1954(昭和29)年創業の大西商店があり、夏のかき氷と、年中販売のアイスモナカが大人気です。
「石屋川」を過ぎると左手に車庫が見えてきます。ここは日本初の高架式の車庫なんです。阪神・淡路大震災の際には大きな被害を受けましたが、再建され、現在に至ります。
「岩屋」は兵庫県立美術館やHAT神戸への最寄駅。次の「春日野道」は、かつては阪急中津駅と並ぶ、ホームの幅わずか2.6メートルという島式の狭いものでしたが、今は上り下りそれぞれにホームがあり、その真ん中に狭いホームが今も残っています。
阪神・淡路大震災から27年。大きくリニューアルされた神戸の大ターミナル「神戸三宮」。駅前のそごうは阪急に変わり、その神戸阪急の下に阪神電車のホームがあります。駅周辺では高層ホテルや阪急高架下に誕生した飲食街「EKIZO」など続々と新しい姿が出現しています。
「元町」で阪神本線は終了。ここから先は神戸高速・山陽電鉄経由で「姫路」まで線路がつながっていきます。
大阪~三宮間では、JRの新快速が21分に対し、阪神は駅数も多いため直通特急が32分と、11分も時間差がついてしまいます。しかしながら歴史も古く、沿線の見所も多いので、機会あればぜひ一度ゆっくり乗ってみて、下町を走る魅力あふれる電車を楽しんでほしいものです。(羽川英樹)
◆野球観戦だけじゃない!阪神間の下町を駆け抜ける阪神電車の魅力【前編/大阪梅田~西宮】
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