神戸地裁では聴覚障害者の夫婦2組と先天性脳性まひのある女性の計5人が国に計5500万円の損害賠償を求めたが(兵庫訴訟 このうち男性1人が係争中に死亡)、2021年8月に敗訴、大阪高裁に控訴している。
このうち聴覚障害を持つ男性(明石市在住・90代)は「国に対して、裁判所は正義と公平をもって、しっかりと判断を下した。社会から差別をなくすために、まだまだ頑張っていきたい」とコメントした。また女性(神戸市在住・60代)は、「まずは『勝った』ことが、大きな前進で嬉しい。しかし、この判決で終わりではなく、裁判所に主張すべきことを最後まで伝え切りたい」と話し、3月の東京高裁の判決にも期待を寄せた。
兵庫訴訟弁護団は22日、「裁判所が、除斥期間の適用によって国の責任を免除することを不正義とする極めて妥当な判断を行い、被害者に対する国の責任を認めたことを歓迎する。そして、国に対し上告することなく、この判決を確定させることを強く求める」との声明を出した。
そして「この判決によって、国の責任として、長年にわたり、強制不妊手術や旧優生保護法による偏見差別の被害に苦しめられてきた原告や被害者に対し、一刻も早く謝罪と被害に見合った賠償を行うとともに、優生思想や障がい者に対する偏見差別などの問題の全面解決に向け、ただちに全国の原告および弁護団との協議を開始すべき」とした。