学校休みやGWなどに牛乳が大量に余ってしまう…今後「需要に応じられない」懸念も 理由は?解決策は? 日本乳業協会に聞いた

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 毎日の生活のなかで欠かせないものの1つ、牛乳。しかし、コロナ禍で、近年、生乳の大量廃棄の可能性が社会問題に。この春も数多くのメディアで報じられるなど、話題になっている。

一般社団法人日本乳業協会公式ホームページより

 3月30日に、「4月~5月の処理不可能乳発生回避についてのお願い」と題し、公式ホームページなどを通じてメッセージを送ったのは、一般社団法人日本乳業協会。消費者に「乳牛に春休みやゴールデンウィークはありませんので、食品ロスにつながらないようご協力願います」と訴えた。乳業関係者には、製品の生乳使用率の引き上げ、牛乳にウエイトを置いた生産販売、乳製品工場のフル稼働などを要請している。

 なぜこのような事態になっているのか。そして、今後、解決の余地はあるのか。一般社団法人日本乳業協会企画・広報部の尾崎裕司さんに聞いた。(※回答はメールでの書面対応)

一般社団法人日本乳業協会公式ホームページより

 尾崎さんはまず、生乳の生産状況を「乳牛の体調は気温の影響を受けますので、生乳生産量は夏に減少、冬から春にかけて増加する一方、飲用需要は9月がピークとなります。この需要と供給のギャップの調整は乳製品(バターや脱脂粉乳)生産の増減によって毎年行われています」と解説。近年、季節の変わり目ごとに「生乳大量廃棄の可能性」と出る理由については、2014年に起きた“バター不足問題”とコロナ禍が影響しているという。

「“バター不足問題”への対処により生乳生産が増産に転じたところで、コロナ禍のために業務用の需要が落ち込んだことから、学校給食のない年度末などに、(供給量が)乳業メーカーの乳製品製造能力を超える恐れが出てきたのです」

 そうは聞いたものの、筆者自身、夫婦と子ども1人の3人家族で、1日に1リットル入りの牛乳があっという間になくなるペースで消費している。また、アイスクリームや大手コーヒーショップのメニューをはじめ、ちまたには乳製品があふれる。牛乳に触れない日がないといっても過言ではなく、実感が湧かないが、尾崎さんによると、「当初は、巣ごもり需要により牛乳の消費が増加しました。しかしその反動により、最近では牛乳の消費は減少傾向となっています」と、世間では牛乳の需要が落ち込んでいるのだという。

 そこに来ての大型連休となると、要の1つ、学校給食がなくなることで、牛乳の動きが止まることに。もし、生乳が大量廃棄される状況が続くとどうなってしまうのだろうか……。

「(酪農家、乳牛など)生産基盤が損なわれることになり、皆さまの需要に応じられなくなる恐れが出てきます。生乳を増加させる(≒乳牛を増やす)にも、種付けから搾乳開始まで約3年の期間を要するため、生産量を短期間で増やすことはできないからです」

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