関西一とも言われる“伝説の中華そば専門店”「カドヤ食堂総本店」。1957年に大衆食堂として創業したこちらのお店では、「毎日がプレミアム限定ラーメンのような」をコンセプトにした至高の中華そばを味わえます。大阪市西区にある「カドヤ食堂総本店」店主の橘和良(たちばな・かずよし)さんに、そのこだわりを聞きました。
まず橘さんがこだわるのは、なんといってもその食材です。黒さつま鶏黒王、霧島高原ロイヤルポークの鹿児島黒豚、はるゆたか、ムロアジ、サケ節、和歌山の野尻醤油、内モンゴル天然かんすいなど、各地から厳選した食材を集め、日々調整しながら麺やスープを仕込んでいるのだとか。
そして、スープの要となる水にもこだわります。橘さんいわく、水も食材のひとつ。お店で使用する水は、パウダー状に砕いた3種類の天然石や活性炭を用いて、不純物をとことん取り除いています。スープや飲み水だけでなく、麺やご飯にも使用するという徹底ぶりです。
さらに、中華そばを盛り付ける器にもこだわりがあります。橘さんに言わせれば、器も食材です(!)。スープをすする際の口当たりや保温力、持ったときの手のなじみ方にまで配慮し、20種類以上の器から厳選した、薄い作りの有田焼ラーメン鉢を使用しています。洗い物をする際はできるだけ丁寧に扱い、ヒビが入らないように細心の注意を払っているのだとか。
橘さんがここまでこだわりを徹底する理由は、「お店の利益はできるだけ食材の仕入れに回し、お客さんに還元したい」という信念があるから。お客さんによりおいしい中華そばを食べて欲しいとの思いから、その還元ぶりは、橘さん自身も「ちょっと還元しすぎてるけど……」と苦笑いするほど。
「カドヤ食堂総本店」は、大衆食堂を中華そば専門店にリニューアルされた2001年から現在まで、常に食材や味を変え、時代と共に進化しています。「変わらない味」を求めるのではなく、「常に変わり続ける」ことで、いつ食べても飽きない最高の一杯を提供することができるんですね。
取材に伺ったのは平日ですが、お店の前には常に入店を待ちわびるお客さんの姿がありました。橘さんによると、週末には50人以上のお客さんが行列を作ることもあるのだとか。そんな「カドヤ食堂総本店」に並ばずに入れる“チャンスタイム”は、午後3時から午後4時頃。「この時間は穴場やから、常連さんはわざわざ時間をずらして来てくれるよ」とのことです。取材中にも、ひっきりなしにお客さんが来店し、幸せそうな表情で中華そばを味わっていました。
◆「カドヤ食堂総本店」
大阪市西区新町4-16-13
営業時間 11:00~17:00(ラストオーダー)
定休日 火曜(祝日の場合は翌日が休みに)
電話 06-6535-3633
【公式Twitter】
◆「お水がいらない カドヤ食堂中華そば」(キンレイ HPより)