神戸・花隈にある「Bar SAVOY hommage(サヴォイ・オマージュ)」の店主でバーテンダーの森崎和哉さんが、今回はワインの楽しみ方について解説。その中で、「買ったワインが思ったほど好みの味ではなかった」「もう少し自分好みの味に近づけたい」…そんな時に、家庭で気軽に試せる”デキャンタージュ” について聞いた。
“デキャンタージュ”とは、ワインをガラスの器に移し替えて空気に触れさせるという手法だ。長く寝かされていたワインの風味を目覚めさせたり、逆に若く芯の強いワインを落ち着かせ、味わいに微妙な変化をもたらしたりすることができるのだそう。
この手法は、特に凝縮感のある赤ワインに使われることが多いとのこと。今回は、スペイン・リオハの赤ワインで実演。リオハの赤ワインは歴史的背景からフランスのボルドーワインと雰囲気・味わいなど類似点があり、今回のワインはその中でも熟成期間が比較的短く、果実味の強さが特徴。酸味も感じられて、しっかりとした重めの味わいが魅力だが、リオハの赤ワインは若いものでも“澱(おり)”が出る場合がありますと森崎さんは話す。
「デキャンタージュの本来の目的は、ワインを空気に触れさせて香りや味わいを引き出すこと、冷えすぎた温度を少し上げること、澱が出ている場合は、それを取り除くこともできるんです」(森崎さん)
デキャンタージュは、一般的にガラス製の器を使うことが多いそうだが、今回、森崎さんは『Birdy.(バーディ)』という“魔法のツール”をスタジオに持参。これは自動車部品メーカーが生み出した製品で、容器にはステンレスが採用されている。器の内側に研磨を施し、0.1ミクロン単位の凹凸をつけることでワインを素早く空気に触れさせる事ができるのだとか。ワインだけでなく、ウイスキーや焼酎などのちょっとした“味変”にも使える。しかし、このようなツールやデキャンタ用のガラス器が無い場合は、空瓶にワインを移し替えるだけでも良いと、森崎さんは言う。
「ブルゴーニュの『ピノ・ノワール』のように繊細な酸の立つタイプは、味の骨格が乱れる可能性もあるので、デキャンタージュにも向き・不向きがありますが、まずは適量だけ瓶に移し替えて少し時間を置き、自分好みの味の出方をいろいろと探してみる…そんな遊びもオススメです。(森崎さん)」
いつものワインにちょっとした遊び心を加えられる”デキャンタージュ”、ご家庭で試してみてはいかがだろうか。
※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』2022年4月12日放送、笑ってBar「サヴォイ・ゴロー」より
◆Bar SAVOY hommage サヴォイ・オマージュ
神戸市中央区下山手通5-8-14
営業時間 16:00~23:30(LO 23:00)
定休日 日曜
電話 078-341-1208
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