「今、苦しむ被害者に救いの手を」神戸連続児童殺傷事件遺族・土師 守さんら、支援条例制定求め斎藤兵庫県知事と面会 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「今、苦しむ被害者に救いの手を」神戸連続児童殺傷事件遺族・土師 守さんら、支援条例制定求め斎藤兵庫県知事と面会

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 犯罪被害者やその家族などを総合的に支援する条例の制定に向けて、兵庫県内に住む犯罪被害者の遺族らが23日、斎藤元彦・兵庫県知事と面会し、 被害者支援条例の制定を求める要望書を提出した。経済的負担の軽減をはじめ、具体的な支援策を盛り込むことを求めている。

「今年度(2022年度)中には制定を」土師守さん(写真右から2番目)らが斎藤・兵庫県知事と面会<2022年5月23日午後・兵庫県庁>
兵庫では全41市町で犯罪被害者支援条例が制定されたが、兵庫県としての「特化条例」の制定はまだ

 面会したのは、1997年の神戸連続児童殺傷事件で当時11歳の次男・淳君が殺害された父親・土師守さん、同年、兵庫県稲美町で起きた集団暴行事件で当時15歳の長男・聡至(さとし)さんを亡くした高松由美子さん。一般社団法人「犯罪被害者の会(つなぐ会)」の寺田眞治代表理事も同席した。

 兵庫県内では、2022年2月までに全41市町で被害者支援条例が制定されたが、支援内容に格差があるため「被害者がどの地域にいても平等に支援を受けられるよう、差を埋めるような条例を作ってほしい」と支援の拡充を求めた。

 土師さんは「条例が制定されても、私たち被害者が恩恵を受けることはないが、(今後)事件は誰の身の上にも起こりうる。これから被害に遭うであろう人に、私たちと同じ思いをしてほしくない。犯罪被害者に特化した支援条例が、兵庫県民とって重要なセーフティーネットになる」と話した。

土師 守さん「私たちと同じ思いをしてほしくない」と条例制定の必要性を訴える<2022年5月23日午後・兵庫県庁>

 全国で同様の条例は39都道府県で制定されている。兵庫県では現在、地域安全まちづくり条例に「犯罪被害者等に対する支援に努める」と記されているだけで、犯罪被害者に特化した条例はない。こうしたことから2022年3月、公益社団法人・ひょうご被害者支援センターが県に申し入れていた。

 条例の制定に向けて、6月にも検討会を立ち上げる。斎藤知事は「不特定多数の人が巻き込まれる事件や、被害者の方がSNSで中傷される『二次被害』が増えている。支援のベース作りを急ぎたい。2022年度中の制定を目指す」と述べた。

ひょうご被害者支援センター理事長・井関勇司弁護士、理事・河瀬真弁護士らも面会した<2022年5月23日午後・兵庫県庁>
被害者の相談窓口を「ワンストップ対応」に 今後検討会がスタートする(写真右・井関弁護士 左・河瀬弁護士)
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