ドラマのパロディで再注目 幻のドリンク「ネーポン」 魅力は「昭和のチープ感」「ネーミング」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ドラマのパロディで再注目 幻のドリンク「ネーポン」 魅力は「昭和のチープ感」「ネーミング」

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「ネーポン」という名のオレンジジュースはご存知ですか? ネーブルとポンカンの果汁が入った、神戸発祥のオレンジジュースです。かつて、有限会社ツルヤ食料品研究所(神戸市兵庫区)が製造していました。

有限会社ツルヤ食料品研究所で販売されていた「ネーポン」。当時は100円〜200円前後で販売されていた

 そんなネーポン。近ごろ、ドラマやアニメでパロディ化したドリンクが登場。それがきっかけで注目が高まっているそうです。残念ながら、ツルヤ食料品研究所が既に工場をたたんでいるため現在ネーポンの販売はありませんが、「復活させたい」と、その味にできるだけ近づけたシロップタイプが販売されているとのこと。仕掛人で、ネーポンを愛してやまない、その名も“ネーポン田中”さんに詳しく聞きます。

現在販売されている「ネーポンシロップ」(税込1,540円)

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

――ネーポンはどんな飲みもので、いつごろ流行ったものなのでしょうか。

【ネーポン田中さん】 高度経済成長期のころ(1955~1972年頃)に、駄菓子屋さんやお風呂屋さんで販売されていたオレンジジュースです。「子どもたちにできるだけ良いものを飲んでもらいたい」という思いで製造され、主に神戸を中心とした阪神間で流行していました。かつて小説家の中島らもさんが『探偵ナイトスクープ』(朝日放送のテレビ番組)で取り上げたことが話題になったきっかけの1つです。

――どうしてネーポンを復活させたのでしょうか。

【ネーポン田中さん】 学生のころ、『たけし・さんま世紀末特別番組!! 世界超偉人伝説』(日本テレビ)で紹介されているのを観て興味を持ちました。ネーポンを飲むために、(番組で話題になった)今はなき大阪のチェーン喫茶店「アジアコーヒ」へ行きましたね。

大人になったある日、「もう一度飲みに行きたい」と思い、当時、お付き合いしていた女性とツルヤ食料品研究所まで足を運んだんです。すると、そこで働くおばちゃんから「ネーポンは健康に良く、子どもたちに飲ませてあげたい」というお話の後に「来年には販売をやめる」と告げられました。それを聞いて、「やめるのはもったいない!」と思い、試しにネット上で販売してみると少しずつ知名度が伸びていきました。

それがきっかけで、ツルヤ食料研究所で働くおばちゃんから「そんな好きなら受け継いだら?」と提案され、商標権を譲っていただきました。

ネーポンポスター。製造当初から現在まで使用されている
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