「精神と肉体の完全燃焼を成し遂げた。今は青春の真っただ中です」と笑顔で答えた堀江謙一さん(83)。 太平洋の単独無寄港横断を世界最高齢で達成した。 6月4日にゴール地点の紀伊水道に到達、ヨットは同日夕に新西宮ヨットハーバー(兵庫県西宮市)までえい航されて一晩を過ごした。5日午後に開かれた記者会見では69日間・約8500キロの航海の疲れも見せず、今後の航海の挑戦も視野に「生涯チャレンジャーです」と宣言した。
堀江さんは報道陣の質問に笑いを交えて答えた。記者会見の主なやりとりは以下の通り。
■69日ぶり、海から陸へ上がった感覚は?
「意外に歩きにくい感じがする。昔ならば陸に上がると『陸は陸だな』と感じたが、今日は動いているような気がした。なじむのにもう1日ぐらいかかりそうだ」
■新西宮ヨットハーバーには多くの方々が駆け付け、歓迎ムードに。
「航海そのものは僕自身の自己満足のためにやっているが、多くの方に何らかの影響を良いように与えることができたのなら、望外の喜びであります」。
■世界最高齢での単独無寄港横断達成となった。
「世界最高齢だが、僕よりもっと高齢で元気にヨットに乗っておられる方もいらっしゃると思う。でも、たまたま僕がヨットで航海しただけのこと。だいたいヨットで海を渡るばかばかしいことはしたくないんだと思う。もの珍しくやりたがって、最高齢と言っているだけと思われているかも知れない。最高齢で、ヨットで単独で太平洋横断をすることは、僕のひとつの夢。夢を夢で終わらせず、現実の目的として挑戦した。それを大過なく無事終えられたことは大きな喜び」
■69日間の航海で、一番苦労したことは?
「2年前に新型コロナウイルス禍が始まって、とても準備がしにくかったこと。予防注射を打たないと出国できない、あるいはサンフランシスコを出発する3日前にはPCR検査の陰性証明がないと出国できないなど、いつストップがかかるか分からない、薄氷を踏むような思いだった。しかし多くの皆さんの協力で一つ一つ解決し、困難もあったがうまく行きすぎたと思う」
■会見に先立つセレモニーで「精神と肉体が完全燃焼した。今、青春の真っただ中」と話していたが、今後の目標は?
「基本的には、生涯チャレンジャーでいたいと思っている。それはどういう形か?僕自身と家族が高齢なので、今すぐには(具体的なことは)言えないが、今までいろいろな航海をしているので、賢明な皆さんは僕のプロフィールを見ていただければ、『次は、これくらい(のタイミングで航海に出るの)だな』と予測してもらえれば。当たるか当たらないかはわからないが」
■もしものために、ヨットにはさまざまな薬を積載したと聞く。航海での体調面ではどうだったか?
「ヨットの準備ができていれば、明日にも出発できるという気持ちは今もある。そういう意味では、僕は健康な方だと思っている。使ったのは目薬と絆創膏だけ」


