◆鉄アナ・羽川英樹「行ってきました!」vol.85
JR大和路線は正式には「JR難波」~「加茂」の54kmを結ぶ路線ですが、今回はその中の「天王寺」~「奈良」間を取り上げてみたいと思います。ここは国鉄形電車の201系が今なお走り、ほかにも歴史的遺産が数多く残るユニークな路線です。乗車した221系の大和路快速は「天王寺」から環状線を時計と逆回りに1周した後、奈良方面に向かいます。
最初の快速停車駅は「久宝寺」。ここで放出・新大阪方面へのおおさか東線と接続です。隣のホームでは201系の王寺行き普通列車が待ち受けています。京阪神を40年あまり走り続けた昭和の名車も、その姿を見られるのはあとわずかとなりました。
高層マンションや商業施設が集まる「久宝寺」を出て、ぶどうと古墳の街「柏原」を過ぎたあたりから、街中を出てのどかな風景がひろがります。
そして奈良までで一番利用客の少ない「河内堅上」を過ぎると、ここからは鉄橋とトンネルの連続。最初に渡る第4大和川橋梁は大変面白い構造になっています。上下に2つの橋梁が重なりますが、下の橋は車などは通行できず、上の線路を支えているだけなんです。ここにはかつて直進ルートの亀の瀬トンネルがありましたが、地滑り被害が多発したためう回ルートを作る際、桁受け用のトラス橋で支えるという珍しい構造になったのです。
結局、大和路線では大和川は右に来たり左に来たりと「柏原」~「法隆寺」間で6回も川をまたぐ線形となり、京都の嵯峨野トロッコ列車をほうふつとさせてくれます。
「王寺」は大阪のベッドタウンとして、また西大和地域の鉄道の要衝でもあり、車両基地も備えています。天王寺から快速ならわずか18分での到着です。ここでは和歌山線と近鉄生駒線・田原本線と接続。駅前には商業施設・マンション・地域交流センターなどが入居する「リーベル王寺」があります。
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