--日東社の今後の注目商品は?
【小林さん】 近年では衛生意識の高まりにより、飲食店等で使用している紙おしぼりや病院や介護施設でからだふきとして使用される使い捨てのウェットタオルが売上全体の6割になっております。さらに、コロナ禍でウェットティッシュの需要が大幅に増え、2022年3月より新工場にて生産を開始しております。ウェットティッシュを開けるときのシールも自社印刷が可能で、内製化も始めました。今後もマッチブックのように、時代やお客様のニーズにあった商品を開発し、暮らしを豊かにする便利なものづくりをしていきたいと思います。
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ブックマッチの生産が終了する一方で、国内唯一のマッチ専門店「マッチ棒」(神戸市中央区)では、現在も数多くのマッチを販売しています。今の時代ならではのマッチの楽しみ方や魅力について話を聞きました。
--どのようなマッチを販売されているのですか。
【岡部さん】 オープン時は100種類ほどでしたが、現在は140種類ほど並んでおります。おもに明治・大正時代に出回ったマッチのラベルを新しく印刷した、いわゆる「復刻版」のようなマッチを販売しています。ほかにもさまざまなグッズ的なマッチが増えており、お客さまにも「これだけのマッチよく集められたね〜!」と言われます。
--どのような方が訪れるのでしょうか。
【岡部さん】 使用目的で購入に来られるお客さまももちろんいらっしゃいますが、最近はデザインに引かれて来られるお客さまや、レトロ好きのお客さまも多いです。昔ながらのレトロなデザインは、今の時代でも好まれていると思います。
--当時、お店の広告などで置かれていたマッチも販売されているのでしょうか。
【岡部さん】 実際に広告として使われていたものは「復刻広告ラベルマッチ」(5個セット550円)として販売しています。昔はお店の屋号を入れたり、電話番号を入れたりなど、広告宣伝として配られていました。今のご時世は禁煙ブームなどで、広告マッチ自体が少なくなっていますね。
店内の壁紙も、当時いろいろなお店が広告として出していたマッチのデザインです。デザインはどれも年代物なので、文字も右から読むものが多いです。
--ブックマッチの生産終了による影響はありましたか。
【岡部さん】 ブックマッチを購入される方からは「ブックマッチの生産終了が悲しい……」と別れを惜む声が多く、記念に購入される方も多いです。また、当店で置いている「神戸タータンマッチセット」(770円)は神戸限定品ということもあり、ブックマッチの生産終了とともに注目いただいています。