――道中、問屋の数が多くて驚きました。昔から松屋町はおもちゃや駄菓子の問屋が多いイメージですが、最近はいかがでしょうか。
【谷さん】 問屋さんはどんどん少なくなってきてるよ。代わりにマンションが増えていってる。後継者問題もあって、なかなか跡を継ぐ人がいないのも問題になってます。駄菓子屋問屋も、私が子供のころには7件ぐらいあったんやけどね。今は大阪市内で見ても、うちくらいしかないと思うわ。もともとは駄菓子問屋をきっかけに、紙や文房具などの問屋も浸透していって、松屋町は子どもに喜ばれる「問屋商売の町」として有名になったんやで。
――駄菓子問屋がきっかけで松屋町の問屋イメージは開拓されたのですね。今回ミルクせんべいのことを取材しているのですが、需要はいかがでしょうか。
【谷さん】 ミルクせん、めちゃくちゃ売れてるで! 特に今年はたくさん売れてます! 夏はいつも「たこせん(たこ焼きやソースをかけて食べるせんべい)」の方が売れるんやけども、今年はなぜかミルクせんべいの方がたくさん売れてる。
――実は、コンデンスミルクをかけて食べるのは関西流だそうです。
【谷さん】 え! それは初耳やわ。ミルクせんべいといえば、コンデンスミルクをかけて食べるもんやからなあ。それ以外の食べ方は知らんなあ。
あと、食べるときはミルクの分量がめちゃくちゃ大事。挟んだときにはみ出ないように、真ん中にどっぷりかけることが重要や。コンデンスミルクのかたさもあるから、慎重にやで! 枚数は、いっぱい重ねずに2枚で食べるのが一番。甘さをしっかり感じることができる食べ方や。
――ちなみに、関東では梅ジャムをのせて食べることもあるそうです。
【谷さん】 梅ジャム!? こっちでは聞いたことないなあ。ミルクせんべいは、いかに甘い状態で食べるかが大事やからな!
――ミルクせんべいの魅力とは何でしょうか。