元東大野球部スター選手・島田叡が沖縄で知られる理由 映画『島守の塔』 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

元東大野球部スター選手・島田叡が沖縄で知られる理由 映画『島守の塔』

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 島田叡は神戸の須磨生まれで、現在の県立兵庫高校、東京大学へ進みました。学生野球の名選手だったそうです。卒業後当時の内務省に入り、1945年に沖縄県知事として着任しました。戦争が激しくなって、摩文仁の丘へ追い詰められたときに、県庁と警察の組織を解散すると命じました。一緒に死ぬ、という部下たちに対して「(公務員として職務はなくなったのだからいち個人として)生き延びろ」と伝え、彼らを逃がしました。

 荒井退造は栃木県宇都宮市生まれで、1943年に沖縄県警察部長に就任しました。県民の疎開に力を尽くし、島田知事とともに20万人を保護したとされます。2人とも最期は摩文仁で消息を断っていて遺体は発見されていません。

 キャストは、ダブル主演で、島田を演じるのが萩原聖人、荒井役が村上淳です。過酷な毎日を純粋に生き抜いた県の職員・比嘉凛を吉岡里帆が演じます。さらに現代の凛を香川京子が務めています。

 監督を『二宮金次郎』などで知られる五十嵐匠が手がけました。五十嵐監督は「沖縄復帰50年の年にこの映画を公開する意義は大きい」と語ります。

五十嵐監督写真6014
五十嵐匠監督

 五十嵐監督はクランクイン前、萩原・村上・吉岡の3人をガマに案内し、ひめゆり学徒隊や島田知事ゆかりの地に連れて行ったそうです。

「そういう(役柄を追体験する)作業をしてから演じていただいたので芝居が非常に深くなったと思います」(五十嵐監督)

 五十嵐監督は、島田の人間性に神戸の土地がたっぷり入っていると分析し、「沖縄と同じような白い砂浜のある須磨海岸の開放感が島田さんの明朗さを作り上げたと思います。また野球で学んだフェアプレー精神が、沖縄の人を疎開させて助ける取り組みにつながったと思います」と話しました。

 萩原とは現場で、島田の“陽”の部分をどう演じるかを話し合いながら撮影を進めていた、と振り返っています。

 映画『島守の塔』は、kino cinéma神戸国際・MOVIXあまがさきで8月5日(金)から公開、元町映画館で8月6日(土)公開です。(SJ)

ポスター

◇映画『島守の塔』
※上映日程は、作品の公式サイト・劇場情報でご確認ください。

出演:
萩原聖人 村上淳
吉岡里穂 池間夏海 / 榎木孝明 / 成田浬 水橋研二 / 香川京子
監督・脚本:五十嵐匠
脚本:柏田道夫

配給:毎日新聞社 ポニーキャニオンエンタープライズ
(C)2022 映画「島守の塔」製作委員会

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