世界的ジャズピアニスト小曽根真とバロック音楽を中心に鍵盤演奏、指揮、作曲などで名をはせる鈴木優人。2人が初共演するコンサート「小曽根真×鈴木優人×大阪フィル ひかれあうジャズと古典ー2台ピアノの午後」が17日、フェスティバルホール(大阪市北区)で開かれる。異ジャンルの2つの才能が織り成すエキサイティングな競演を前に、小曽根がインタビューに応じた。
大阪フィルハーモニー交響楽団とともに2人が届けるプログラムは、ラヴェル「ピアノ協奏曲」とモーツァルト「2台のピアノのための協奏曲」。ラヴェルは小曽根がピアノ、鈴木が指揮を担当、モーツァルトは2台のピアノでそれぞれ演奏し、鈴木はタクトも執る。
2人の最初の出会いは10数年前、音楽祭のために宿泊していた東京のホテルのバー。「いつか何かいっしょにやりませんか」と鈴木に声を掛けてもらったという。「とてもうれしくて。もちろんぜひと答えました。今回ようやく念願が叶った」と顔をほころばせる。
リハーサルで初めてピアノを合わせた日、「僕が『こんな手もあるよ』といろいろ弾いてみたら、鈴木さんはとても面白がってくれて。素晴らしい耳だと思った」。セッションを通して、互いの人となりを知るのに時間は掛からなかった。「鈴木さんは音楽的な視野が広い上にオープンマインド。彼の音楽には垣根がない。その時出てきた音に臨機応変に返してくれる」と全幅の信頼を寄せる。「当日は彼もジャズ的な演奏をするかも。全部持って行かれないように気を付けないと」。楽しみでたまらないといった表情を見せる。
プログラムはいずれも「大好きな曲」だという。「ラヴェルのコンチェルトにはジャズのハーモニーがたんまり入っている。和音の作り方、ちょっとアンニュイな感じの世界観がいい。デューク・エリントンも影響を受けていて、ジャズ屋にとって近い音楽」。
モーツァルト「2台のための…」を初めていっしょに弾いた相手は、2021年2月に亡くなったジャズピアノの巨匠、チック・コリア。1996年、東京で行われたジャズフェスティバルでのことだ。「チックに『モーツァルトを一緒に弾こう』と言われて。譜面ものは人前で弾きたくないと思っていた僕を誘ってくれた」と懐かしそうに振り返る。
◆第60回大阪国際フェスティバル2022
小曽根真×鈴木優人×大阪フィル ひかれあうジャズと古典ー2台ピアノの午後
日時:2022年9月17日(土)15時開演
会場:フェスティバルホール(〒530-0005 大阪市北区中之島2-3-18)
料金:S席7,500円、A席6,000円、B席5,000円、バルコニーBOX(2席セット)15,000円
問い合わせ:フェスティバルホール06-6231-2221
https://www.festivalhall.jp/events/562/