姫路市立美術館では、「オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト」と題し、姫路の二大文化資源である姫路城と書写山円教寺をつなぎ、新たな姫路の魅力を国内外に発信するアートプロジェクトを2021(令和3)年度から 2024(令和6)年度まで4年にわたり展開する。
2022(令和4)年度はニューヨークを拠点に活躍する現代美術作家・杉本博司氏を招き、その芸術世界を表現する。
このプロジェクトは各年ごとに、現代美術家・日比野克彦氏(2021年)、現代美術作家・杉本博司氏(2022年)、アート集団チームラボ(2023年)、建築家・隈研吾氏(2024年)らによって展開される。
2022年のプロジェクト、書写山円教寺(姫路市書写)で4月29日から、普段は非公開の国指定重要文化財「常行堂」を舞台に、同じく国指定重要文化財「阿弥陀如来坐像」と杉本氏の作品、「光学硝子五輪塔」によるインスタレーション(空間芸術)「五輪塔─地水火風空」を展示している。
さらに9 月17日からは、能の”五番立て”構成である「神男女狂鬼(しんなんにょきょうき)」の特別編として「翁(おう・おきな)」を加えた杉本氏の映像作品『Noh Climax(能 クライマックス)』の映像インスタレーションが始まった。
江戸時代、能は一日をかけて五種類の演目が上演され、「神・男・女・狂・鬼」と演じる順番が決まっていた。
世界の構成要素である「地水火風空」を形象化した五輪塔、そして能の定番で、日本文化の普遍的テーマでもある「神男女狂鬼」。これらが時空を超えて、円教寺常行堂に登場する。