グランドセイコーは、ロレックス、オメガと並ぶ“実用時計御三家”? 「価格はもっと上げていい」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

グランドセイコーは、ロレックス、オメガと並ぶ“実用時計御三家”? 「価格はもっと上げていい」

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 2017年、「グランドセイコー」(以下、GS)はセイコー内のひとつのブランドではなく、独立したブランドとして新たな歩みをスタートさせました。今や、国産の高級時計ブランドとして代表的な存在であるGSですが、誕生から現在までに至るまでには紆余曲折あったようです。登録者数が6万4千人を超える「腕時計YouTuber」であるRYさんが、『やさしい腕時計』(ラジオ関西Podcast)で解説しました。

◆セイコー社内の「競争」が導いた、GSの誕生

 GSの物語が始まったのは1959年のことです。その年に、セイコーは更なるイノベーションと競争の促進を期待し、長野の諏訪工場と東京の第二精工舎を2つの独立した会社に分けることを決めました。同じ会社の中で競争を促すことで、さらに高い水準の腕時計を作ろうとしたのです。翌1960年、「世界に挑戦する国産最高級の腕時計をつくる」という志のもと誕生したのが、GSでした。

GSのファーストモデル。1960年に登場した

 数々の名作を世に送り出してきたGSですが、今でも語り継がれ、新作のベースにもなっている「傑作」が存在します。1967年に発表された、通称「44GS」です。世界最高の精度を誇るムーブメントを積んでいたこともさることながら、特筆すべきはそのデザインです。44GSをデザインしたのは、セイコー初の「大卒デザイナー」の田中太郎さんです。

 田中さんは、ショーウィンドウに並べられたスイス製の時計と国産の時計とを見比べると、スイスの時計は「キラキラと輝く」のに対し、国産の時計は「デラデラと燻んでいる」ように見えたそうです。そこで、スイスの時計のように「燦然と輝く時計」を作るための研究を外装工場の職人たちとともにスタートさせました。どういう作りであれば燦然と輝くのか――。試行錯誤を重ねながらようやく作り上げたのが44GSであり、44GSはデザイン面で現在のGSにも大きな影響を与えています

現在のモデルのデザインにも影響を与えるGSの傑作「44GS」

◆市販モデルで世界最高峰のコンクールの順位を独占! しかし、翌年……。

 かつて、スイスではスイス製時計の精度向上や精度の証明を公的に行うことを目的に「精度コンクール(天文台コンクール)が開催されていました。セイコーは、1964年からこの精度コンクールに参加しており、初期は153位〜9位と振るわなかったものの、1967年に2、3位を獲得。

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