兵庫県が運営する『兵庫県立農林水産技術総合センター 森林林業技術センター』では、県の森林林業や木材利用の技術開発をおこなう。
ここでは、暮らしの中でどのように木材が有効活用されるのか、これからの森林の将来を想定しながらさまざまな研究が日々進められているという。
研究内容について、センター所長・谷口俊明さんと林業専門技術員の小長井信宏さんに話を聞いた。
同センターでは、住宅で使用する杉やヒノキの苗木研究をしている。センターで植えられている苗木用の種は施設内の緑化センター(朝来市)で生産されたものであり、育成スピードがはやく、アレルギー反応を引き起こす原因となる「花粉」が少ない品種を選んでいるそう。
鹿の食害から守る技術も研究する。山林に苗木を植えると鹿が苗木を食べてしまうのを防ぐためだ。また、集中豪雨で山に植えている木の根がどのような仕組みで土砂の崩壊を防いでいるのかなど、災害に強い森づくりの取り組みも進めている。
「地域に暮らす人々を守ることができる木材を届けるために、私たちは木材の根本的なことから研究しています」(谷口さん)