――当時はどれほどの人気だったのでしょうか?
【桝本さん】 日本では1970年の3月に販売を開始し、月産20万個以上を記録するほど人気がありました。廃盤になる2010年ごろまでに、累計2000万個以上を販売。販売期間終盤にも、年間1万個の生産を切ることはないほどの人気でした。当初はお子さんが購入されることが多かったようですが、後期になると、懐かしさを求めて購入される大人の方もよく見かけましたね。
――どなたの笑い声なのでしょうか?
【桝本さん】 当時、日本人の声で録音しようと洋画の司会などで有名だった声優のAさん(弊社の資料にもAさんと明記)にお願いしたものの、「やはり作り物の笑いはおもしろくない」ということに。
ほかにも2〜3人に依頼しましたが、なかなか当てはまらず……。そんなとき、「これを使ってほしい」とアメリカから渡された音声が良かったので、そのまま使用したのだそう。恐らくアメリカ人のものだと思いますが、真相は不明です。
女性の笑い声が入ったシリーズは、知り合いの女性劇団員に録ってもらったそうです。ですが、こちらも詳細やその後については不明です。
――廃盤の理由は?
【桝本さん】 笑い袋には、モーターで回っているターンテーブル内部のレコードに針を乗せて出した音をスピーカーで増幅させる「小型発声機」を使用しています。レコードには音声を録音した原版があり、コピーして使用する必要があるのですが、経年劣化により使えない状態になっているため、残念ながら廃盤となりました。
単に録音したデータでも良いとは思いますが、弊社では「レコードから出される音こそが笑い袋の良さである」と感じているため、販売を停止いたしました。
――笑い袋の魅力とは?