【桝本さん】 笑い袋は、創業社長が大事にしていた「玩具に欠かすことのできない3つの要素」がよく表された製品です。
◆玩具に欠かせない3つの要素
1)形や色合いの良さ=持ちやすい袋、わかりやすい色
2)手に持って遊ぶおもしろさ=持ち運び可能、触ったり押して音を出すことができる
3)声や音を聞く楽しさ=音を楽しむ、音によって楽しむことができる
また、笑いの少ない時代に笑いを提供できたということも大きな魅力ですね。
弊社では、創業以来「暮らしにゆとりと明るさを」というキャッチコピーを大切にしています。「笑い」はまさに、ゆとりと明るさを暮らしにもたらしてくれるものだと考えています。
少し前に、「人が Skypeのビデオ通話画面で笑っているのを見るとなぜか絶対笑ってしまう」という動画が話題になりました。人は、誰かが楽しそうに笑っているのを見ると、つられて笑ってしまうものです。笑い袋にはそのような要素が多く含まれており、インターネットが有名になる前に、社会に「笑い」を届けてくれた製品だったのではないかなと思っています。
「笑い袋」は最初のヒット商品であると同時に、弊社の大事なメッセージを体現してくれているので、社員の誇りであり、みんなが大切に思っている製品です。
廃盤となってしまった今、弊社では「アニマルマスク・サラブレッド」などのラバーマスク事業がメインとなりつつあり、昔のようなパーティグッズ全般を扱うメーカーではなくなりました。しかし、万国共通の「笑い=ピエロ」というイメージから作られ、笑い袋にも使用されていたピエロのロゴは現在も我が社のロゴとして使用しています。
創業社長が大切にしてきた「社会に笑いを提供する」という理念を忘れずに、これからもおもしろいグッズを作れるよう尽力して参ります。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
現在、さまざまなラバーマスクを販売している株式会社アイコ。いつまでも「笑い」を忘れずに商品開発に取り組む姿勢や思いは、「笑い袋」を開発された当時から変わらず受け継がれています。今後新たに誕生するであろう商品がますます楽しみです。
(取材・文=弘松メイ)