和歌山・すさみ町に独立国家? その名も『イノブータン王国』 「特産のイノブタで町おこし」と商工会議所 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

和歌山・すさみ町に独立国家? その名も『イノブータン王国』 「特産のイノブタで町おこし」と商工会議所

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 和歌山県の市街地から少し離れた紀伊半島の南端に位置する、すさみ町。イセエビやカツオの水揚げ量が多く釣りや漁業で知られるこの町に『独自国家』が存在することをご存知でしょうか?

 国家名は『イノブータン王国』。もちろん本物の国……というわけではなく、あくまで架空の“パロディ国家”なのですが、国旗や国歌・建国宣言まできっちり作りこまれており、本気の取り組みということがうかがえます。

 詳しい話を「イノブータン王国・王国枢密院」こと「すさみ町商工会」(和歌山県西牟婁郡)に聞きました。

イノブータン王国の国旗(提供=すさみ町商工会)

 気になる建国の理由ですが「すさみ町名物の『イノブタ』で町おこしをするため、誕生した」とのこと。

「イノブタとは、イノシシと豚をかけ合わせた一代雑種のことです。誕生のきっかけは、当時のすさみ町長が雄の子イノシシを県畜産試験場に寄贈したことによります。県畜産試験場が『何か特徴のある畜産物ができないか』と考えたことで、そのイノシシと豚の雌を交配し1970年3月8日にイノブタが生まれました」(すさみ町商工会)

 日本ではすさみ町以外だと兵庫県の淡路島や沖縄県でしか飼育されておらず、全国的にも珍しいのだとか。イノブータン王国が建国されたのは、町おこしに加え、イノブタがすさみ町発祥であることをPRする目的があるそうです。

イノブタ(写真はイメージ)

 イノブタの誕生から16年後。その当時の内閣総理大臣だった中曽根康弘氏に「建国宣言書」を手渡すなどの活動がおこなわれたあと、イノブータン王国が誕生します。

 その後、イノブータン王室の王・王妃としてマスコットキャラクターの「イノブータン大王」と「キララ王妃」が就任。さらに、町長を「首相」、JR西日本白浜駅長を「運輸大臣」、すさみ郵便局長を「郵政大臣」と称し、JRきのくに線周参見駅を「入国管理所」、道の駅すさみを「イノブータン城」に変更。国づくりの徹底ぶりには驚かされます。

イノブタの赤ちゃん(提供=すさみ町商工会)
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