瀬戸内に春の訪れを告げるイカナゴの「シンコ(※新子=稚魚)漁」が大阪湾と播磨灘で4日、解禁された。播磨灘・大阪湾の各港から出た漁船は午前6時20分すぎに、2隻の船で袋状の網を引っ張る「船曳き網(ふなびきあみ)」を一斉に下ろした。シンコの生育状況を鑑みて、昨年(2022年)より3日遅れての解禁となった。
イカナゴの稚魚「シンコ」は甘辛く炊く郷土料理「くぎ煮」で知られる。
シンコ漁は、2017年に前年比1割以下の1001トンに急減している。2020年は過去最少の147トン、2021年(一昨年)は1467トン、2022年(昨年)は少し持ち直して1665トンだった。(※いずれも速報値)
専門家の分析では、明石海峡では、海の水質が改善され海中の窒素やリン分が減少したのに伴いエサとなるプランクトンが減ったのも、イカナゴの生育に影響したとされている。
イカナゴ漁の本場、本場兵庫県明石市の林崎漁港の初競りでは、今年は8万8千円の値が付いた。
不漁が続く近年では2021年、最も高値となる1カゴ(約25㎏)当たり9万5000円の初値が付き、昨年(2022年)は8万円の値が付き、高値傾向が続く。