現代日本が抱える課題に触れた井上先生とパーソナリティの2人。ここからはリスナーから寄せられた悩みに回答しました。
◆体調を崩し、働けなくなってしまいました。『社会とつながっていない』『まったく人の役に立っていない』と毎日嘆いています。ないものねだりなのでしょうか。(ラジオネーム:あーたん)
【井上先生】 体調のせいで仕事ができないのは、おつらいと思います。(仕事を通した)社会とのつながりがなくなることは孤立や孤独を感じやすく、しんどいときだと思うのですが、社会とつながっていないというわけではないんです。こうしてメールを送ってくださることで、番組を作り上げるメンバーのひとりになっているわけですから。だから、ひとりきりで抱え込まず、自らつながりを感じにいってほしいと思います。
『役に立っていない』と感じる人はとても多いのですが、絶対にそんなことはなくて、生きていくなかで人は必ず誰かの役に立っているんです。たとえば、買い物ひとつ取ってもお店に貢献できていますよね。どうしても考えが狭くなりがちですが、実はいろいろなところで役立っているということを生活のなかで見つめ直してほしいと思います。
【近藤】 実は私も以前、誰の役にも立っていないと悩んでいた時期があって「役に立っていない人はいない」という言葉を聞くたびにきれいごとだと思っていたんです。この仕事(シンガーソングライター)をしていると「なっちゃんの歌に励まされました」とか「話しているのを聞いて元気になりました」と言ってもらえる機会もあるんですけど、素直に受け入れられず「私なんか役に立っていない」と思っていたんです。
今はそんなふうに思うことはなくて、先生の言う通り、買い物をするだけでも人の役に立てていると思うことができるようになったんですけど。今思うと、悩んでいたときの私は大きい結果を求めすぎていたんですよね。たとえば大きな賞をもらうとか、すごい肩書きがあるとか……。役に立っているという実感を求めすぎて欲張りになっていたと思います。
◆自己肯定感が持てないというイメージは湧きやすいのですが、自己肯定感があることでどのようなプラス面がありますか?(ラジオネーム:くまえもん)
【春名】 そもそも自己肯定感と自己評価の違いがよくわからないのですが、違いは?
【井上先生】 『自己評価』は、「できる」「できない」というように自分自身に点数をつけることです。一方の『自己肯定感』は、自身の点数を「いくつでもいいや」と思えるかどうかです。たとえば、自己評価が20点だったとしても「20点かもしれないけれど、ほかでカバーできているからいいや!」と思えるのは自己肯定感が高いと言えます。逆に、「自分は20点だ。もう終わりだ」と思う人は自己肯定感が低いということになります。
こう聞くと自己肯定感は常に高い方がいいと思うかもしれませんが、自己肯定感は日によっても全然違います。「常に自己肯定感を高めておかなければならない」と思っている人が多いのですが、そんな人は世の中にいないんです。誰しもが落ち込むときは落ち込むし、自分はダメだなと思う日もあります。
【近藤】 ダメだなと思っている自分のことを「それでもいいや」と思えることが大事ということですよね。
【春名】 私は自己評価が低く、周りの人から褒められたときに素直に受け取ることができないんですよね。褒めてくれた人を疑ってしまうというか。