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通勤で大阪駅を利用している神戸市東灘区の30代男性は、午前5時過ぎに新ホームに降り立った。「新しいホームは気持ちがいいし、とにかくきれいです。地下ホームの真上の再開発が進んで、公園も整備されると聞いていますし、家族で遊びに来たいです。2年後には大阪・関西万博も控えているし、大阪駅を中心に利便性が高まるのはありがたいです」と話した。
大阪府八尾市の70代の女性は、地下ホームの緩やかなカーブを行き交う列車を眺め、感慨深げだった。父親が国鉄職員(旧・大阪鉄道管理局に勤務)で、今は亡き制服姿の父を思い出したという。
「貨物ヤード(梅田北ヤード)の時代から、ずっと工事の様子を見てきました。足掛け10年以上かかりましたね。大昔、この場所は堂島川から船が入れるように、水路を延ばしていたと聞いています。それが今や地下駅に。隔世の感とはこのことですね」と話した。
女性はさらに、「便利になることは良いことだし、関西経済の活性化につながればと思います。東京でも品川や渋谷で大きな再開発をしていますが、1970~80年代の建築物を立て替えねばならない時期にきているのでしょう。40年前、大阪駅南側に複合商業施設「アクティ大阪」(1983年・現在はサウスゲートビルディング)が開業するまで、駅舎が低くて小さかった印象が強かったです」と振り返る。
一方で、最近の都市再開発について「街並みの個性が消えたというか、どこに行っても同じような風景になっているような気がします」と指摘し、今後は特徴ある街や空間の充実を望んだ。