腕時計には、特定のシーンにおいて、特に高い効果を発揮する機能を持つモデルがあります。例えば、「ダイバーズウォッチ」。高い防水性能や回転ベゼルを備え、その名の通り水中での使用において右に出るものはありません。「パイロットウォッチ」は高い耐磁性や回転計算尺などを持ち、空で大活躍。
「GMT機能」は聞いたことがある人も多いでしょう。では、どのような機能で、どのように操作すればよいかまで説明できますか? 「腕時計YouTuber」RYさん(登録者数:8万1千人)が、『やさしい腕時計』(ラジオ関西Podcast)で解説しました。
◆GMTウォッチが持つ“4本目の針” その役割と仕組みは?
GMTウォッチのほとんどが、一般的な腕時計には当たり前のようについている時針、分針、秒針のほかに、4本目の“GMT針”を備えています。また、文字盤の周囲のベゼルには、時計回りに24までの偶数が刻まれていることが一般的。GMT針は24時間で1周するようになっており、ベゼルの数字と組み合わせると、時差のある2つや3つの国(都市)の時刻を同時に表示できるようになっているのです。
そもそも「GMT」の語源は、「Greenwich Mean Time」の略で、「グリニッジ標準時」のことを指します。グリニッジ標準時とはイギリスにあるグリニッジ天文台において定められた標準時のことで、かつては世界の標準時刻の基準として用いられていました。
時差は経度15度につき1時間であり、各国はそれぞれ標準時を持ちます。日本の場合、兵庫県明石市を通る東経135度線が日本標準時(日本時間)であり、グリニッジ標準時からは9時間進んでいることになります。
12時間で1周する時針と、24時間で一周するGMT針の2つの針をうまく組み合わせることで、2つの国(都市)の時刻が正確に表示できるのです。時計によって操作方法は異なるため、細かなやり方は割愛しますが、簡単に言うとこういうことです。海外に滞在する場合や、ビジネスなどで海外にいる人と取引を行う機会の多い人にぴったりな機能といえるでしょう。
RYさんによると、GMT機能は飛行機での大陸間の移動が当たり前になってきた時代に、世界を飛び回るパイロットのために誕生した機能だそう。ちなみに、回転ベゼルを操作することで、最大3か国(都市)の時刻を知ることができます。