商品やサービスのヒットには“映え”が不可欠との認識が高まっている昨今ですが、“映え”度外視でも人気のグルメが存在します。おでんもその一つです。このたび、兵庫県神戸市内の老舗居酒屋のおでんを、地元神戸のインスタグラマー・ウラリエがラジオ番組で紹介。地元で愛され続ける理由を取材しました。
■90年以上変わらない味
「高田屋京店(たかたやきょうみせ)」(神戸市兵庫区)は、阪急神戸線・新開地駅から徒歩1分。1931年、神戸市灘区の酒蔵「金杯酒造」の番頭が独立して開業しました。昭和初期から90余年にわたって愛されて続けている名店です。
■出汁に継ぎ足しの歴史
おでん出汁は、創業以来、鰹と塩と砂糖のみを使用し、継ぎ足し続けてきたそう。1995年の阪神・淡路淡路大震災で一時は継ぎ足しが途絶えたものの、そこからまた28年の歴史を重ねているとのことです。
■人気の理由は“げんこつサイズ”
代表的な具材は、ねぎま、すじ、とうふ、たこ、ロールキャベツなど。共通するのは、食べごたえのある大きな“げんこつサイズ"であること。創業以来、ずっと変わっていないそうで、おでん人気の最も大きな理由になっているといいます。大きな具材が整列してグツグツ煮えているさまは迫力があり、見ているだけでも食欲をそそられる光景と評判です。
■店内に“アリーナ席”が存在!
女将がおでんを煮込んでいるのを眺めることができるカウンター席を、ウラリエは“アリーナ席”と表現しました。調理風景を眺めていると「まるでライブをみているかのようにワクワクがとまらない!」とのこと。茶色い出汁が濃くしみたおでんは、“映え”は無くとも味で勝負の一品です。
世の中には、"映えない"からこその本質が魅力の逸品も数多くありそうです。
(取材・文=みねほのか)
※ラジオ関西『Clip火曜日』2023年4月5日放送回より