「日本美術の楽しさ伝えたい」と始めたYouTubeで再生数2万超え! 掛軸の製造・卸売会社(神戸市) | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「日本美術の楽しさ伝えたい」と始めたYouTubeで再生数2万超え! 掛軸の製造・卸売会社(神戸市)

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 床の間などに飾り鑑賞されることが多い掛軸。日本家屋の和室が減っている中で国内需要は減少傾向にあるが、一方で海外からの需要が増えつつあるという。

 掛軸の製造・卸売りを行う株式会社野村美術(神戸市垂水区)の常務取締役、野村雄一さんに話を聞いた。

床の間に飾られた掛軸(イメージ)

 掛軸を扱っている店は「表具店」という業態で、昔なら地域にひとつくらいは存在していたそうだが今では珍しくなってきているという。

「掛軸はそもそも仏教と一緒に日本へ入ってきたと言われています。仏教の教えなどが描かれた仏画を飾り、儀式の雰囲気を盛り上げる意味合いがありました。時代は進み茶の湯が伝来すると、茶席に招いた客への“おもてなし”を表すものとして場面に応じた掛け軸を飾りましょう……というところからさまざまな種類が増えていったようです」(野村さん)

野村美術(神戸市垂水区)、常務取締役の野村雄一さん
株式会社野村美術(神戸市垂水区)、常務取締役の野村雄一さん

 和室に飾られることが多い掛軸だが、同社では新しい販路として海外にも目を向け多彩なディスプレイアイデアを提案。和の文化に興味を持つ人も一定数いることから、国外からの注文も増えてきている。直近だとイギリス在住の外国人から「西郷隆盛」と書いた掛け軸が欲しいと制作依頼を受け、契約している書道家に書いてもらったという。海外でもこだわる人は自宅に和室や床の間があるようだが、そうした場所がなければ多くはリビングに飾っているようだ。

 また海外では盆栽も人気があり、盆栽の世界観が引き立つ掛軸の制作依頼も頻繁に受ける。月や日の出、富士山など絵柄にも多彩なバリエーションがあるため、そのつど要望を聞き提案しながら仕上げていくという。

「当初は海外向けにオンライン販売をしていましたが、コロナ禍で国内向けにも広げたことにより沖縄からの注文もあります」と野村さんは語る。

盆栽と掛軸(イメージ)
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