深夜のラジオ番組をモチーフとしたヒューマンドラマ、フランス映画『午前4時にパリの夜は明ける』が4月21日(金)から全国ロードショーされています。
1981年のフランス・パリ。社会党のミッテラン大統領が政権をとることになり、街は変革への期待に沸いています。
深夜0時、いつものラジオ番組「夜の乗客」が始まりました。パーソナリティが静かに語りかける声がスピーカーから聴こえます。
「夜の乗客の皆さん、5月11日になりました。今夜も朝4時までヴァンダがお供します。この特別な夜の話を聞かせてください。電話番号はこちらです……」
1984年、パリの郊外が見渡せる大きな窓がある高層アパート。エリザベートと娘のジュディット、息子のマチアスが住む部屋に、エリザベートの父親が訪ねてきました。エリザベートが夫と離婚することになり、父親は心配しています。
父「完全に別れるのか?」
エリザベート「あの人、もうアパートを借りたみたい。女とラン=サザール駅の近くに」
エリザベートが泣き出しました。
父「援助するよ」
エリザベート「早く仕事を見つけないと」
父「働いたことないだろ」
エリザベート「ありがとう、すごく心強いわ」
多感な世代の子どもたちを養うため、エリザベートは仕事に就くプレッシャーを強く感じています。若い頃に秘書の仕事を少ししただけで、これまでほとんど働いたことのないエリザベートは仕事探しに苦労します。
ある会社では初出勤の日に、事務職の入力作業で保存するのを忘れてファイルを閉じてしまって、クビになりました。