◆鉄アナ・羽川英樹「行ってきました!」
神戸電鉄(神鉄)は神戸市内から六甲山地に分け入るため、全線のうち勾配部分がなんと84パーセント、しかも50パーミルを超える急勾配が多数ある山岳路線なんです。
ここでは今回、神戸(新開地)から三木を経由して小野(粟生)を結ぶ神鉄の粟生線にスポットライトを当てたいと思います。
まず、神鉄の神戸側の始発・終着駅である「新開地」を出て、「鈴蘭台」まで、粟生線は有馬線との共用路線を使用。約8キロメートルの間になんと標高278メートルまで一気にかけ登ります。
「鈴蘭台」は車両基地もある神鉄最大の中間拠点基地。戦前はダンスホールなどもある避暑地で、いまは住宅地が広がり、駅ビルには北区役所も入っています。
「鈴蘭台」から本格的に粟生線へ入ると、このあとすぐ「鈴蘭台西口」「西鈴蘭台」とややこしい駅名が続きます。そして神戸市北区から西区に広がるニュータウン沿いに進んでいきます。
三木市に入っても「緑が丘」「志染(しじみ)」などベッドタウンにつながる駅が並びます。
新興住宅地からの通勤通学客で、粟生線利用客はピーク時の1992年には年間1420万人まで伸びました。しかし、最近はコロナも相まってその半分以下という厳しい状況が継続しています。
三木といえば金物のまち、山田錦の生産量日本一、またゴルフ場も市内に25か所と西日本一を誇ります。「三木」は火災のあと昨年に新駅舎が誕生。駅前ロータリーの向こうには美嚢川(みのうがわ)の散策道が広がります。