ヨーロッパを中心に、多くの外国人観光客が戻った三千院の境内で、多くの人々が足を止めて声明と雅楽の響きに耳をすませた。
フランス・アルザスから訪れた女性は、「まるで讃美歌のよう。私もアルザスの教会でミサに参列したことがあるが、より繊細な響きに感動した。山里で鳥がさえずる中、聖なる空間で時間を忘れて聞き入り、日本の宮廷文化を知ることができた」と話した。
仏教音楽・声明は中世ヨーロッパの典礼音楽・グレゴリオ聖歌と並び称され、近年ではコラボレーションされることも多くなった。浄瑠璃や能の源流ともされ、京都・大原は声明の聖地と称される。
※京都五ケ室門跡とは、妙法院門跡(三十三間堂)・三千院門跡・青蓮院門跡・曼殊院門跡・毘沙門堂門跡の五か寺。門跡寺院とは門主(住職)が皇室、あるいは摂関家によって受け継がれてきた寺院。