精神科医に聞く 「うつ病は家族にうつる」ってほんと? 喜怒哀楽が薄くなってしまったときの対処法も | ラジトピ ラジオ関西トピックス

精神科医に聞く 「うつ病は家族にうつる」ってほんと? 喜怒哀楽が薄くなってしまったときの対処法も

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 ストレス社会において、誰でもかかる可能性がある病のひとつ「うつ病」。自分自身はもちろん、家族がかかってしまう可能性もあります。もしも自分や家族がうつ病になった場合、どうすればいいのか。精神科医・産業医の井上智介先生が、ラジオ番組『Clip』(ラジオ関西)に出演し、リスナーから寄せられた悩みに答えました。

左から、精神科医・井上智介先生、Clipパーソナリティー近藤夏子、春名優輝(ラジオ関西アナウンサー)

◆「息子がうつ病と診断され、病院に通っています。主人が『うつは家族にもうつりやすい』と言っているのですが、本当なのでしょうか?」

【井上智介先生(以下:井上先生)】 まず、大前提としてうつ病がうつることはありません。ただ、どのように接したらいいのか分からず、それが悩みの種になってしまっている可能性があります。その悩みが次第に大きくなり、うつ病がうつったというわけではなくても、ご自身も苦しくなってしまうことはあるかもしれません。

【近藤夏子(以下:近藤)】 私は、人の感情を受けやすいんですよ。たとえばドラマを見ていると、感情移入してしまってドラマが終わったあとも泣いちゃったり、友人から相談を受けたときも、友人と同じような気持ちになって気持ちが沈んでしまったり。悩んでいる人との関係が近ければ近いほど、同じような気持ちになってしまうということはあるんでしょうか。

【井上先生】 家族だからこそ「なんとかしなくちゃ」という焦りも出てきてしまうと思うんですよね。「なんとか助けになりたい」「でも助けてあげられない」というジレンマで逆に家族が苦しんでしまうというのは、うつ病患者の家族にはよくあります。

【近藤】 この相談者さんの場合、ご主人が「うつ病は家族にうつる」と言っているということで心配していると思うのですが、なにか言ってあげたほうがいいんでしょうか。

【井上先生】 まずは、うつらないという事実は伝えてあげたほうがいいと思います。ただ、繊細な人の場合「家族をなんとかしてあげたい」「どうしてそうなってしまったんだろう」と考えて気持ちが沈んでしまうことはあると思います。

 誰かを助けるというのは、自分が元気じゃないと絶対に無理なんです。息子さんがうつ病になってしまったらとても気になるとは思うんですけど、切り離すことが大切です。家族だからといって、ずっと気にかけてべったりそばにいなければならないと思う必要はなくて、自分がある程度、快感や幸せを感じられる時間を取って、それがあって初めて家族のケアができるんです。だからご家族には、自分の幸せを作ることに力を入れてもいいんじゃない? 少し目を離してもいいんじゃない? ということを伝えたいですね。

【春名アナウンサー(以下:春名)】 まずは、自分が幸せであることが1番大事というのは腑に落ちますね。

【近藤】「まずは自分から」の大切さはすごくよく分かります。私も数年前にうつ病になったときは、なによりもまず人を助けることが優先で、人を幸せにしたいと思うぶん自分がすっからかんになってしまったんですよね。家族を支えるには、まず自分の幸せからというのは大切ですね。

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