【天川さん】 そうめんは、まだスーパーがなかった昔は、お米屋さんなどで量り売りされていましたから「スーパーの棚に並べやすいから」ではないように思われます。そうめんは最終的におよそ2メートルに延ばされ、そこから切断されるのですが、その際に19センチという長さが最も余りなく、歩留まりが良かったのではないでしょうか。
――身近な食材として、先日SNSでも「時間がたってもそうめんがくっつきにくいゆで方」が話題になりました。生産者さんおすすめのゆで方があれば教えてください。
【天川亮さん(以下、天川さん)】 ゆで方はパッケージなどにも記載していますが、たっぷりのお湯でゆでることと、しっかり水洗いして、麺の表面に残った油分や塩分を落としていただくことが重要です。
1)まず、予め全て帯をほどき、大きめの鍋で沸騰したお湯の中に麺をパラパラと入れる。
2)軽く箸でほぐしながら再び沸騰させ、ふきこぼれないように火加減を調節(1分半~2分)。
3)ゆで上がった麺をすばやくザルに移し、流水でよくもみ洗いをし、しっかりと水切りする。
しばらく置いておく場合やお弁当に持っていく場合には、フォークで一口大にクルクルとまとめておけば麺つゆにつけるとほぐれるので食べやすいですよ。
揖保乃糸は原材料にこだわり、手間暇かけてつくっています。まだ食べたことがないという方には、正しいゆで方でぜひいちど揖保乃糸を召し上がっていただきたいです。アレンジ豊富でコンパクト。保存もできて、非常食やローリングストックにも最適です。
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いかがでしたか? 今回は、そうめんにまつわるウワサを検証するとともに、よりおいしく食べるためのコツなどもお届けしました。
平安時代の貴族もそうめんを食べて夏の暑さをしのいでいたのでしょうか? そんなことを思って口にすると、より風流に感じられそうですね。
(取材・文=中口のり子)