―――どのように普及していった?
【山内さん】 名鉄百貨店の第一号店を皮切りに、全国に徐々に広がっていきました。大阪では1960(昭和35)年、全国で3番目の店舗として大丸心斎橋店に導入されました。
―――最盛期は?
【山内さん】 1980年ごろが最も多く、店舗数は約200店舗ありました。売り場にもさまざまなタイプがあり、回転するものだと直径約1メートルから4.5メートルのものなど、サイズもさまざまでした。過去には、L字型や楕円形タイプなどの珍しい形の回転機器もありました。
―――子どもたちにとってどんな存在だった?
【山内さん】 当時は今よりもお菓子が少なかったこともあり、回転台にある今までに見たこともないような量のお菓子に魅了されたのだと思います。また、好きなお菓子を食べたい量だけ購入できる売り場はほかになく、なおかつ「回転する」というのも珍しかったため、子どもたちにとって“楽しい場所”だったのだと思います。
―――現在も店舗はある?
【山内さん】 店舗数は減少傾向にありますが、地方の百貨店では根強い人気があります。60年以上の歴史があるブランドですので、“思い出の売り場”としてメディアの取材も増えています。
☆☆☆☆☆
山内さんいわく、「好きなお菓子を好きなだけ購入出来るスタイルは、今の時代にもマッチしている」とのこと。そのうえで付け加えた「これからもニーズに応じて変化・進化を果たしていきたい」という言葉からは、あくなき探究心と情熱がうかがえました。
なにかとお金がかかる現代ですが、たまにはお菓子の“おとな買い”でストレス発散してみるのもいいのではないでしょうか。
※ラジオ関西『Clip』2023年6月29日放送回より
(取材・文=濱田象太朗)