【橋本】 「赤頭巾ちゃん御用心」ってハードロックバンドではあり得ないタイトルですもんね(笑)。
【中将】 本人たちは相当ショックだったようですね。1990年代後半に再結成した時も、条件は「『赤頭巾ちゃん御用心』は演奏しないこと」だったそうですから(笑)。
【橋本】 もはやトラウマ曲に……!
【中将】 ですが1981年の解散後、ボーカルの影山ヒロノブさんはアニメ『ドラゴンボールZ』主題歌「CHA-LA HEAD-CHA-LA」を歌うアニソン歌手に。ギターの高崎晃さん、ドラムの樋口宗孝さんはラウドネスを結成し、世界的なヘビーメタルバンドとして評価されます。そういった成功をつかめたのも、ここで「赤頭巾ちゃん御用心」を歌って売れていたからかもしれません。
【橋本】 そのあたり、ミュージシャンにとって難しい判断ですよね……。
【中将】 1970年代のミュージシャンがロックと売れ線の間で悩んだような現象が、もしかしたら今も形を変えて存在するのかもしれませんね。いつの時代も生き残るって大変です。