◆鉄アナ・羽川英樹「行ってきました!」
今年5月にG7サミットの会場になった広島。コロナがおさまり、国内外からの観光客や修学旅行生たちの姿もかなり戻ってきました。世界で初の被爆から立ち直り、広い道路といくつもの川、緑にあふれた広島市は、いま、人口約118万人を抱える中四国最大の都市となっています。
そんな広島の玄関口・JR広島駅は現在、大工事のまっ只中。2025年完成予定で新駅ビルを建設中なんです。
そして、JR駅前の停留所「広島駅」から市内各地や宮島を結ぶ広島電鉄(以下、広電)は全線営業距離35キロメートル、1日15万人以上が利用するという日本最大規模の路面電車。人口100万人を超える地方都市で、地下鉄がなく路面電車だけというのは、この広島だけ。市内中心部が川に囲まれたデルタ地域のため、地下鉄は難しかったようです。
ここには原爆投下の3日後から走り始めた「被爆電車」をはじめ、全国各地で走っていた車両から最新鋭の低床車までが勢ぞろいしているため、広電は「電車の博物館」と呼ばれています。
今回は1912(大正元)年に最初に完成した2号線(本線)の「広島駅」~「広電西広島」間を中心にご紹介しましょう。この区間はすべて連接車で運転されています。
私が学生時代に利用していた京都市電をはじめ、神戸市電・大阪市電の車両も元気に走っている広電。西鉄福岡市内線・北九州市内線を走っていた電車にも出会えますし、200形は広島市と姉妹都市のドイツ・ハノーバーからやってきた味わいある車両です。また被爆電車3両も現役でしっかり活躍しています。
1999年に初登場した超低床車グリーンムーバー5000形はその後進化し、LEX・APEXなど加速がすごい3連接車両で本線・宮島線直通電車として走ります。