“搾乳ロボット”導入 ジェラート店直営 苦境に立つ牧場の挑戦 兵庫の酪農家「突き進むしかない!」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

“搾乳ロボット”導入 ジェラート店直営 苦境に立つ牧場の挑戦 兵庫の酪農家「突き進むしかない!」

LINEで送る

この記事の写真を見る(10枚)

◆シラギク牧場(兵庫県南あわじ市)
 シラギク牧場は、代表の原護さんの祖父の代から80年にわたり引き継いできた牧場です。現在70頭の乳牛が暮らしています。

写真右:シラギク牧場代表の原護さん、同左:ラジオ関西牛乳大使の芥田愛菜美
ラジオのインタビューを受けるシラギク牧場代表の原護さん(写真右)、左はラジオ関西牛乳大使の芥田愛菜美

 原さんの祖父が最初に飼った牛が「シラギク」という名のホルスタイン種で、「甘みにコクがあって香りのいいミルクを搾らせてくれる」と可愛がっていたのだとか。牧場名の由来にもなった、その優秀なシラギクの血統をいつまでも絶やさないようにと、系統の繁殖にこだわっているのがシラギク牧場の大きな特徴です。

 さらに、原さんが、おいしい牛乳を搾るために譲れないと話すのが「エサ」と「住環境」。良いエサを与えるのはもちろん、エサと乳牛の相性も重要で、シラギクの系統に合ったエサを与えているといいます。さらには、牛たちにストレスがかからない快適な住環境に配慮しているそう。

 譲れないこだわりは他にもあるといいます。同牧場では、シラギクの血統を受け継ぐ娘牛を、生後6ヶ月から、澄んだ空気と水、雄大な緑のフィールドに恵まれた北海道の牧場に預かってもらい、2才で妊娠牛となってから戻すなどしています。

 原さんは、自ら作成した単語を用いてこだわりを説明しました。「おいしい牛乳をみなさんに飲んでいただくために、遺伝の『遺』、さらに『食』、『住』この3つの『遺食住』を高いレベルで実践するようにしています」。

 同牧場では、大切に育てた乳牛から搾ったミルクを多くの人に味わってもらいたいと、ジェラート店「VERDE TENERO(ベルデ テネロ)」も経営しています。

「VERDE TENERO」
「VERDE TENERO」

 同牧場の牛乳と淡路島産の材料を積極的に使っていることが特徴のひとつ。原さんの妻であり店長のあゆみさんが、東京と本場・イタリアのボローニャで学んだスタイルで提供しています。

「おいしいジェラートを意識した牛乳を搾って、その能力を最大に引き出そうと、牧場の段階から努力しています。牧場では、伝統に沿っておいしい牛乳を守り続ける一方、ジェラート店では、牛乳をもっと楽しんでもらうこと目指しています。ヨーグルトやリコッタチーズ、ホエイを材料にしたジェラートにも挑戦しています。いつかはチーズやヨーグルトも製品化したいと思っています」(原さん)

☆☆☆☆☆☆☆☆

 苦境が続く中、それぞれの酪農家がさまざまな努力をして経営を続けています。様々な方法で牛乳を楽しむことが、地元の酪農を守るための私たち消費者の大切な役割といえそうです。

LINEで送る

関連記事