◆食中毒予防の3原則とは
重要となるのが「食中毒予防の3原則」です。食中毒は、その原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発生します。細菌による食中毒を予防するためには、以下の3つが重要です。
1)細菌やウイルスを食べ物に「つけない」
食肉は、他の食品と調理器具や容器を分けて処理・保管すること。また、食肉に触れた調理器具などは使用後に消毒・殺菌をおこないましょう。食肉を取り扱った後には、十分な手洗いをすることも忘れずに。
2)食べ物に付着した細菌を「増やさない」
細菌を増やさないための温度管理が重要です。きちんと冷蔵庫に入れて低温で保管。肉を解凍するときは冷蔵庫で解凍し、部屋の中での室温解凍を避けましょう。
3)食べ物や調理器具に付着した細菌やウイルスを「やっつける」
肉は中心部までしっかり加熱されたものを食べるようにしましょう。中心部を75度以上で1分以上加熱することが目安です。鶏肉などは、中心が白くなるまでしっかりと加熱しましょう。
また、夏休みにバーベキューをする際には肉を十分に加熱し、生肉を扱ったトングや箸で、サラダなどの調理を行わないように心がけることも大切です。
しかし、これだけでは不十分だと酒井さんは指摘します。食中毒3原則に加えて、自ら選択してあやしい食べ物を“避ける”ことが重要だといいます。「外食時に、『お店で出されているから安全』『新鮮だから生でも大丈夫』という考え方は危険です。毎日健康に過ごすためにも、加熱不足や生の状態の鶏や豚肉料理を食べるのは控えましょう」と呼びかけます。
兵庫県をはじめ全国で、8月を「食品衛生月間」と定め、食中毒の予防啓発を行っています。楽しい夏休みを過ごすためにも、食中毒予防のポイントをおさえて生活したいものです。
出典:厚生労働省「カンピロバクター食中毒予防について」「家庭での食中毒予防」「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
(取材・文=岡本莉奈)