■イチジク
同店は洋菓子店ながら、大福も人気商品の一つ。20年前に作り始めたもので、30個まとめ買いする客もいるほどの人気だそう。夏の時期にはイチジクの大福もラインナップしている。そのイチジクにも、牛尾さんのこだわりが…。
かつて同店の従業員が、店のある伊川谷町にもおいしいイチジクを育てている農家があると教えてくれた際、牛尾さん自らその農家を探しに行き、イチジクを使わせてもらうことになったのだという。
同店では、イチジクは10月の始めあたりまで使うそうだが、7月下旬の出始めのイチジクと比べると、味が微妙に異なってくるという。牛尾さんは「それぞれのおいしさがあり、ツウになればなるほどハマるお味だと思います」と話す。
おいしいイチジクの見分け方は、外見は「お尻が割れている、側面にひび割れがあるかどうかを見るといい」のだそう。破裂するようにはじけているものほど熟れていて甘いという。
収穫時期によって味や食感が微妙に変わるとは先述の通りだが、出始めの夏の頃は、中のひだが一つ一つ大きく、食べたときに空気を含んだプチプチとした食感をもつという。これが秋口になると、ひだ部分の判別がつかなくなり、パンチの効いた甘さに。ただ、秋口は大きさが小ぶりになり、甘さにばらつきが生まれるそうだ。
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同店に足を踏み入れると、甘い香りと共に色とりどりのケーキが目に飛び込んでくる。牛尾さんがケーキ作りをする中で意識しているのが、赤・青・黄の“三原色のコントラスト”。色彩感覚にも気を配りながら作っているのだそう。大福も、いちご・抹茶・チョコバナナ・マンゴー・カシス・チーズと、味も色もさまざまだ。
フルーツはもちろん、カスタードクリームやスポンジも毎日作って素材と鮮度を大切にしているという牛尾さん。「口に入れたとき『やっぱりここのケーキはちょっと違うな』と感じていただけるよう、日々努力を続けています。地域になくてはならないお店と言われるよう、体が動く限りは頑張っていきます」と力強く語った。
※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2023年7月11日放送回より