オムライスやクリームシチューなどのいわゆる「洋食」は海外発祥だと思われがちですが、実は日本発祥……というものが多く存在します。
「台湾まぜそば」もそう。なんと台湾からやってきたのではなく、名古屋発祥の料理だとか。なぜ“台湾”なのでしょうか。台湾まぜそばを誕生させた『麺屋はなび高畑本店』(愛知県名古屋市)に話を聞きました。
『台湾まぜそば』とは、唐辛子とニンニクを効かせた醤油味のピリ辛ミンチ(台湾ミンチ)を極太麺に乗せた、汁無し麺の一種です。名古屋にはすでに“台湾ラーメン”が存在しており、そこから派生したのが台湾まぜそばだったとのこと。
「台湾まぜそばは『麺屋はなび』の創業者である新山直人が開発しました。開店当初は塩と醤油ラーメンしか扱っていませんでしたが、より店を繁盛させるために台湾ラーメンの提供を開始しようと商品開発を始めたのがきっかけとなります」(麺屋はなび)
“失敗”から偶然生まれたものであったと同店は言います。
「試しに塩ラーメンに台湾ミンチを乗せてみたところ、具材と当時のスープが全く合わずに失敗しました。捨てようとしたところで、アルバイトの一人に『まかないとして麺だけに台湾ミンチをかけて食べてみたい』と言われ、それを食べてみるととてもおいしかったそうです。それが台湾まぜそばの誕生のきっかけでした」(麺屋はなび)
そこから新山さんによる研究が重ねられ、今のカタチに繋がっていったとのこと。2008年に提供を開始すると、台湾まぜそば自体の歴史はここ数年のものでありながらも、専門店が爆発的な勢いで開店するなど全国各地に大きな影響をもたらしたのです。
おいしさの秘訣は「全粒粉の太麺を使用すること」「茹で上がってから麺をすりごき棒で傷をつけるように混ぜること」だそう。麺を傷つけることで糊が出てタレに絡みやすくなるのだとか。
では、台湾まぜそばの原型である『台湾ラーメン』はどのように誕生したのでしょうか? 発祥は同じく名古屋にある中国台湾料理『味仙』で、初の提供は1970年代だったそうです。