地震速報を即座に表示 新宿には“飛び出す猫” 『デジタルサイネージ』の可能性を追求する神戸の会社 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

地震速報を即座に表示 新宿には“飛び出す猫” 『デジタルサイネージ』の可能性を追求する神戸の会社

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 店舗やオフィスなどに、映像表示装置を設置して情報を発信するデジタルサイネージ。新たな広告媒体として人気を集めていることから街中で見かける機会も増え、市場規模は今後も右肩上がりに拡大していくことが予想されます。そんなデジタルサイネージの新たな可能性を模索している会社が兵庫県神戸市にあります。デジタルサイネージの今と未来について取材しました。

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 駅構内や商業ビルなどさまざまな施設にデジタルサイネージを提供している、テスコムデジタルソリューション株式会社(神戸市西区)。デジタルサイネージとひと言で言っても、シースルー、4面マルチ、ビジョンカー、タッチパネルサイネージなどさまざまな種類があります。同社の専務取締役・藤原涼平さんによると、50センチ四方のパネルを組み合わせて設置する、巨大なLEDビジョンも存在します。

 たとえば、東京のJR新宿駅の東口のクロス新宿ビジョンに設置されている巨大ディスプレイは、高さ8.16メートル、幅18.96メートル。3D映像で“飛び出す猫”が映し出され、同サイズのクラスとしては国内唯一の4K相当画質を誇るといいます。まるで大きな猫がビルに住んでいるかのように設計。高いところが好きな猫の特性を反映しているといい、耳やしっぽの動きの再現度も高いと話題です。

JR新宿駅前「クロス新宿ビジョン」の“飛び出す猫”
JR新宿駅前「クロス新宿ビジョン」の“飛び出す猫”

 そんなデジタルサイネージの機能で、同社が独自開発し特許を取得したのが、割り込みで災害情報を表示できるシステムです。地震速報などの災害情報を、検知からおよそ2秒後には表示できるとのこと。たとえば、“飛び出す猫”の3D映像ビジョン前には常時200〜300人ほどが滞留しているとのデータがあり、それらの人たちに即座に災害発生情報を伝えられます。

緊急地震速報の画面イメージ
緊急地震速報の画面イメージ

 そういった商品の開発は顧客からの要望をもとに行うことが多いそうですが、世の中の情勢を鑑みて開発に至った例もあります。それが、8インチのタッチパネル型サイネージを搭載した、検温モニター付き消毒器です。

 映像と音で手指の消毒と検温を呼びかけることにより、その場に必要な人員を削減するもの。さらに検温時には自動撮影も行われているため、出退勤の管理や防犯対策としても活用できるとして、ポストコロナでも定着する可能性を秘めていると考えられます。

サイネージを搭載した検温モニター付き消毒器「カインドⅠ」
サイネージを搭載した検温モニター付き消毒器「カインドⅠ」
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