地元・兵庫をもっと盛り上げたいという気持ちは大きい。特に神戸市の人口減少や転出超過など課題はあるが、三宮の再開発や神戸空港の国際線就航などの明るいニュースもたくさんあり、少しづつ神戸を活気あふれる魅力のある街へ変える事ができればと考えている。
今年(2024年)春にリニューアルオープンするポートタワーのプロデュースなども手掛け、街づくりの一端を担うことになり、期待を寄せるようになった。「ひょっとして、これが変化なのかな」。神戸・兵庫の発展の兆しをようやく感じた気がするという。
兵庫県三木市の祖父母宅では家の石灯篭が倒れ、食器棚が傾き、お皿が滑り落ちてきたという話は何度も聞いた。小学生のころは毎年1月17日に黙とうをして、避難訓練をして、阪神・淡路大震災を考える特別授業を受けたが、年々震災のことを考える時間が少なくなっていった。
率直な思いとしては、「怖いな」「大変だったな」という表面的なもので、山本さんの世代で震災と言えば、2011年の東日本大震災の災害としてのリアリティーが強かったという。
ただ、こうした災害が起きた時にどう対処するか、社会人となり、通勤中や仕事中に被災したら…ということは考える。建物の耐震に関しては進んでいるが、交通機関がストップしたときに帰宅困難になることや、神戸は海に面しているため津波の心配もあり、各自が自分を守る行動を取れるように心がける事が大切だと感じている。
フェリシモの本社は神戸港・新港第一突堤に近く、まさに海の目の前にあるので、入社試験の面接で「津波がきた時の想定はあるのか」と尋ねたという。学生時代、特に防災について学んだわけではないが、自然に出た質問だった。