【藤本さん】 (世の中には)自分は差別なんて無縁だ、自分は人を傷つけたことなんてない、と思っている人のほうが多いと思います。でも、実際はそうではないのかもしれません。「当たり前で簡単」と感じていることが簡単ではなくて、悩んだり苦しんだりしている人がいることを知ってほしいです。
――人権について、ご家族で話すことはありますか?
【藤本さん】 普段は意識していませんが、毎年夏休みの課題に人権作文が出ると、お互いに考えていること、伝えたいことを話し合っています。
――将来の夢についても聞かせてください。
【藤本さん】 将来は、人の役に立つ仕事に就きたいと考えています。具体的な職業はまだ決まっていませんが、たくさんの話や意見をSNSで調べたり、職業について話している人のところに話を聞きに行って考えたりしようと思っています。
――『無意識の決めつけ』という作品を通して伝えたいことを教えてください。
【藤本さん】 私たちは、無意識のうちに決めつけてしまっていることがたくさんあると思います。だからこそ、自分のなかの“無意識の当たり前”をもう1度よく考えてから言葉を選び、使うことが大切だと思うので、皆さんにも気をつけてほしいと思います。大人には、「自分の言葉が必ずしも正義だとは思わずに、よく考えてから周りの人の意見も聞いてほしい」ということを伝えたいです。
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■全国中学生人権作文コンテスト
誰もが生まれながらに持っている、人として幸せに生きていくための権利「人権」について、次代を担う中学生に、作文を書くことを通して身近な問題として理解を深めてもらおうと、1981(昭和56)年度から法務省と全国人権擁護委員連合会が実施している。