1月半ば、アメリカの化学者による「塩を入れることで完璧な紅茶になる」との発表が紅茶大国であるイギリスで取り上げられ、政府を巻き込む論争になったことをご存知でしょうか? 化学者は、入れるのはひとつまみ(塩の味を感じない程度)で、「塩に含まれるナトリウムイオンが紅茶の苦みを打ち消す」という科学的根拠があるとしています。
日本でも、この騒動を受けて紅茶コーディネーターのハヤシさん(@hayashi_lanturn)がX(旧:Twitter)に載せた投稿が1.2万いいねを獲得するなど、論争は広がりを見せました。果たして、“紅茶に塩”はアリなのか……。ハヤシさんに、紅茶と塩の関係などについて聞きました。
ハヤシさんによると、実は、チベットやブータンなど遊牧民族の国では、昔から紅茶に塩とバターを加える「バター茶」が存在するそうです。というのは、暑さが厳しく乾燥した地域のため、塩と油分が体に必要だから。
塩を加えることで汗で失われた塩分を取り戻し、バターの油分を摂取することで唇がひび割れるほどの乾燥から身を守るなど、栄養補給の役割を持つものとしてレシピが存在しているといいます。現地の人は、味噌汁やスープのような感覚でバター茶を飲むのだそうです。
とは言え、味の面はどうなのでしょう。果たして、紅茶と塩の組み合せはおいしいのでしょうか……!?
ハヤシさんが「マジでうまいからおすすめ」とXで紹介し1.2万いいねを獲得したのは、チャイをベースにした「はちみつバターミルクティー」です。レシピを教えてもらいました。
【はちみつバターミルクティー】
■材料(1杯分)
・茶葉(おすすめはアッサム)
・お湯:150ミリリットル
・牛乳:150ミリリットル
・塩:ひとつまみ(入れすぎ注意)
・有塩バター(スライスしたもの):3~4グラム程度
・はちみつ:小さじ1.5杯程度
■作り方
1)茶葉・お湯・牛乳で、チャイティーを淹れる(難しければ市販のロイヤルミルクティーでも代用可能)。
2)ポットに入れたチャイに塩を加えて混ぜ、カップに注ぐ。
3)バターとはちみつを加えて完成。※市販のロイヤルミルクティーで代用する場合はすでに砂糖が入っているので、はちみつを淹れる手順は省略する。