「世界に誇れるウクライナの文化を、ファッションを通じて伝えたい」。一人娘と二人三脚で歩む日本での生活、現在も爆撃が続くキーウのことを想うと、涙が止まらない。
その一方で、娘の命を守らねばならなない。「もう二度とこのような悲しい思いをしたくない。誰もが望んでいる平和。ヴィクトリアも日本で頑張っているから、今私がしっかりしないと」と話すナタリアさん。振り返ればたくさんの人々が見守ってくれている。
■「帰りたいが、帰れない」~あるデータが示す現状
日本財団が2月21日に発表したアンケート調査(※)の結果によると、ウクライナから日本に避難している人のうち、「できるだけ長く日本に滞在したい」とした人が39.0%、「ウクライナの状況が落ち着くまでは、しばらく日本に滞在したい」と答えた人が33.9%と、現時点で日本での定住を望む人が6割を越え、増加傾向にあるという。
ある避難者の女性はラジオ関西の取材に対し、「私たちには誰にも負けない『愛国心』がある。一刻も早く祖国に戻りたい。でも焦土と化した故郷の風景を想うと、とても帰国できる気持ちにはなれない」と話した。
長引く戦禍、国を愛する気持ちを失わせてはいないか、受け入れる側も、真摯に“想い”を受け止める必要がある。
※日本財団が定期的に実施しているアンケート(今回が5回目)
対象 ⽇本財団の⽀援を受けている18歳以上のウクライナ避難者1022人
実施期間 2023年11月15⽇〜12月31⽇
【ウクライナ・ヴィンテージ民族衣装のページ】
■フアッションデザイナー ナタリア・ゴロドさんプロモーション映像 (C)N.Gorod
■ウクライナ・縫製工場とナタリア・ゴロドさんの目指すファッション(C)N.Gorod