群馬県の桐生市は小麦の生産がさかんなところで、昔から「おっきりこみ(おきりこみ)」という、野菜と一緒に麺を土鍋で煮込む料理に使用されていたようです。このうどんの発祥が愛知県刈谷市の芋川という地域だったことから、「いもかわ」が転化して「ひもかわ」になったとか(※所説あり)。
では、なぜ滋賀で「ひもかわうどん」なのかと聞きますと、サラリーマンだったご主人が群馬に赴任していたときに、このうどんに出会い大感動。ついに脱サラして4年前に「ひもかわうどん」の専門店を出身地の滋賀・草津で開店。2年前から栗東に移転したそうです。ところがそのご主人が昨年ガンで亡くなり、その意思を今は奥さんや家族が引き継いでいます。
現在の店舗は焼肉屋さんを間借りしているため、営業は午前11時から午後2時までのランチタイムのみ(水曜休み)。しかしながら、この3時間を目指して関西・東海・北陸から名神高速などを利用して多くの客がひっきりなしに訪れてきます。
この店では8センチの超幅広麺が苦手な人のために、半分の4センチバージョンも用意していますが、8~9割の客がインスタ映えする8センチを選ぶようです。もちろん通常のうどんメニューも数多くあるのですが、大半がひもかわうどんを注文するようです。
関西ではなかなか出会えない群馬・桐生の名物うどん。その形状とつるんとしたのどごし、つけ汁のうまさに魅了されてしまいました。次に訪れるときには、この幅広麺がもう少しうまくすくえるようになっているはずです。(羽川英樹)