兵庫県芦屋市立小学校に通っていた当時4年の女子児童が、他の児童からいじめを受けていた問題で、学校や市教委の重大事態の認定が遅れたためにいじめの被害が長期化し、転校を余儀なくさせたことについて、保護者らが16日、慰謝料など合計約540万円の損害賠償を求めて神戸地裁に提訴した。
訴状などによると、女子児童は当時4年だった2021年、 同級生から「消えろ」「死ね」「地獄へ落ちろ」と書かれた携帯電話のメッセージを見せられるなどのいじめを受けて不登校になった。
学校側がいじめの「重大事態」と認定したのは、いじめの存在を把握してから約7か月後で、女子児童は5年生の3学期に転校した。
保護者は「学校や市は消極的な対応に終始したことでいじめの認定が大幅に遅れ、いじめが何度も再発し、被害が深刻化、長期化した。その結果、転校を余儀なくされた」と主張している。
児童の保護者は提訴後、「加害者が守られ、娘だけがいろいろなものを失って苦しんでいる。摂食障害と(これに起因するとみられる)体重の減少は一定程度改善したものの、心の傷は深いまま。今も通院している。転校したから終わりではない。学校や市の謝罪もなく、ずっと気持ちを踏みにじられている。本当に子どもに寄り添っていたのか、これまでの対応を見直し、根本的に変わってほしい」と話した。
保護者によると、女子児童は「大人(先生)、学校は信用できない。二度と行きたくない場所」と話しているという。
芦屋市教育委員会は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。