斎藤元彦・兵庫県知事のパワハラ疑惑を告発した文書をめぐる問題で、その内容を審議する「百条委員会(文書問題調査特別委員会)」が19日午後、神戸市内で開かれた。百条委は3回目となる。
この日は、告発者である元県民局長の男性が証人尋問で出席する予定だった。男性は7日に死亡した。自殺とみられる。冒頭で男性の死を悼み、委員全員が黙とうした。
その後、遺族から県議会事務局宛てに▼男性が百条委員会で発言する内容をまとめた、11ページにわたる一問一答形式の陳述書▼県西部・上郡町での視察の際、特産のワインについて「まだ飲んだことがない。折を見てお願いしたい」などと首長に“おねだり”するやり取りが録音された音声データが、「一死をもって抗議する」と記された男性のメッセージとともに送付された(12日付)。
音声データは約50秒。斎藤知事が出張先の県西部・上郡町で特産ワインを町長ら幹部に求めたとされる内容で、新たな疑惑という位置付けとなっている。
同日、これらが百条委の資料として採用されることが決まり、音声や陳述書が公開された。
このほか、個人情報をマスキングした告発文書も改めて配布された。文書には、▼2021年の初当選時の知事選挙をめぐる公職選挙法違反や、▼職員へのパワーハラスメント、▼企業や自治体からの贈答品受領、▼2023年のプロ野球優勝パレードに関する公金の違法支出などの各疑惑について、斎藤知事や側近の県幹部らに関する7項目が列挙されている。斎藤知事はいずれも否定している。