文部科学省が進める「GIGAスクール構想」が実現し、小学生の頃から1人1台のパソコンを手に学ぶ時代が始まっています。生まれたときから、インターネットやさまざまなデジタル機器があるのが当たり前の環境で育った“デジタルネイティブ”世代の子どもたち。情報収集やコミュニケーション、創造活動と、自らの世界を自らの手で広げている一方、大人にはその指南役となることが求められています。
そこで、デジタルネイティブ世代の子どもたちとの関わり方や情報教育について、元小学校教員で姫路大学教育学部こども未来学科講師、情報教育・教育工学が専門の津下哲也さんにラジオ関西の番組『Clip』で話を聞きました。
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20年の小学校教員歴を持ち、2児の父でもある津下さん。自身の経験を踏まえながら、「(自分たち)親が子どもだった頃は、遊ぶといえば“外に遊びに行く”ことだった。でも、いまは友だちの家に行くことも少なくなっている」と話します。
しかし、この変化も一概に悪いとは言い切れないとのこと。「オンラインゲームで遊んでいるだけだと思っても、ゲームをしながら明日の授業の話をするなど、子どもたちなりにコミュニケーションを取っている」と津下さんは続けました。
とは言え、子どもがゲームなどに触れている時間が長かったり約束の時間を超えたりしていると「『いい加減にしなさい』と言ってしまうことはありませんか? 私も親ですのでその気持ちもよく解ります」と津下さん。親世代に共感しつつも、「大人が単に使用時間などを制限するのではなく、ネットの使い方や利用の目的を子どもたち自身で考え、行動に移すよう育てることが大事」と説きました。
また、マイナス面がクローズアップされることも多いSNSについて、津下さんは「勇気をもらったり、元気付けられたりする良さもある」と話します。使用にあたっては、良い面も悪い面もあることを踏まえた上で、子どもたちが自分で判断して使えるようにするにはどうすればいいかを、大人も一緒に考える必要があると伝えました。