災害時の情報共有を市民同士で行い、より素早く適切な判断をしてもらおうと、神戸市はこのほどSNSアプリ「LINE」を利用した「神戸市災害掲示板」の運用をスタートした。同掲示板に被害状況を直接アップしてもらうことで、災害情報をより迅速に、多くの人に知ってもらおうとの試み。政令市としては全国初の取り組みで、神戸市は、市民に掲示板への参加を呼び掛けている。
同掲示板は、神戸市が設けた公式アカウントに友だち登録して利用する。災害や危険な状況などに遭遇した場合、トーク画面を開き、その件について文章で入力、位置情報、写真を投稿してもらう。投稿された情報はAIが整理・集約し、地図で表示される。他の登録者が地図中の知りたいポイントをタップすると、投稿された内容をチェックできる仕組み。
その他の機能として、メニュー画面に「リアルタイム防災情報」のボタンがあり、自治体からの災害に関するお知らせや気象庁の雨雲レーダー、河川、公共交通などについての情報にもまとめてアクセスすることができる。
神戸市では2019年からLINE上にアカウントを作り、台風や大雨警報が出た際、市民が撮影した写真を投稿してもらう実証実験を行ってきた。今年11月時点で、実証実験アカウントの登録者は1万5千人あまり、投稿は約1300回を数えた。
神戸市の久元喜造市長は「(実証実験をふまえ)実用化できるのではということになり、本格的に運用することになった。災害における的確な避難行動につなげてもらえたら」と話した。
また同市は、目の不自由な人に向けた「耳で聴くハザードマップ」の運用も開始。視覚障害者の利用が多い、音声コードを使った文字情報読み上げアプリ「ユニボイスブラインド」を活用し、周囲のハザード情報や避難場所の案内を音声で行う。「耳で聴くハザードマップ」は無料アプリ「ユニボイスブラインド」をダウンロード後、必要な操作を経て利用可能。詳しくは神戸市の公式ホームページ内、「耳で聴くハザードマップ」に掲載されている。