《阪神・淡路大震災を知らない世代(2)》「神戸、離れない…」加久ひなみ・ことみさん(25・22) | ラジトピ ラジオ関西トピックス

《阪神・淡路大震災を知らない世代(2)》「神戸、離れない…」加久ひなみ・ことみさん(25・22)

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 神戸では一年に一回、震災について考える機会を持つことができる。また、東日本大震災や熊本地震、能登半島地震も報道で知っている。南海トラフ巨大地震が来る可能性を考えると、「やはり心の準備と、神戸だからできる地震対策をしておかなければ」とは思うが、「やはり心の準備と、神戸だからできる地震対策をしておかなければ」とは思うが、2人にとって、震災は“どこか他人事で、現実味がない”のがもどかしい。

阪神・淡路大震災から10年後 2005年1月17日に建立されたモニュメント(神戸市東灘区・森公園)

 神戸には、街中やビルにさまざまな形で震災モニュメントが設置されている。中でも特に象徴的なのは、玄関口・三宮の東遊園地にある「慰霊と復興モニュメント」。

「慰霊と復興モニュメント」瞑想空間 〈2024年12月14日〉※撮影・ラジオ関西コンテンツニュース部
2024年には、新たに21人の銘板が加わった〈2024年12月14日〉※撮影・ラジオ関西コンテンツニュース部

 そこには、故人の生きた証(あかし)と慰霊の祈り、震災を経験した世代の記憶や、復興への願いが詰まっている。

 東遊園地で毎年開かれる「1.17のつどい」に参加したことがあるが、「追悼行事の場」という印象しか持てなかった。でも…。
 犠牲者の名前が刻まれたモニュメントの銘板には祖父の名前も刻まれている。銘板を前に、両親は震災から何年経っても複雑な心境を抱えている。ほかの遺族も、それぞれが異なる震災経験を抱えていることが伝わってくる。「単なる追悼行事の場ではない」と、やるせない気持ちになった。

 こうした経験から、姉・ひなみさんは、大学の卒業論文のテーマに震災を選んだ。タイトルは「震災の記憶を若者へ」。震災モニュメントをめぐり、何を継承し、どのように語り継ぐのか調査した。

 そこでわかったことは、未経験者同士で伝え合うことは、やはり限界がある。「どう継承してくか正解は出ていない。自分が生きているうちは継承していくけど、そのあとは続かないだろう」という経験者の言葉に、今後の課題を感じた。

 震災を知らない世代にとって大事なのは、あとに残った教訓だけでなく、震災を実際に体験した人たちの具体的な経験を知ることだと感じている。

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